2017年3月2日木曜日

食べ歩き(92) 十八番 旧料亭金勇 秋田県能代市

30年ぶりの十八番のラーメンに行ってきました。

昔から週に3-4日しか営業していなかったのですが、今もそのようで、月、火、木、金のみの営業のようです。先代が数年前に亡くなられたそうです。合掌。

変わったこともありますが、お店のセルフサービスは変わっていませんでした。オーダーして、ラーメン食べて、丼を返して、お金を払って帰るという、懐かしい流れに乗ってきました。

十八番のラーメンの味を覚えていないというのが正直なところでした。しかし、十八番のラーメンを忘れられずに30年経ちました。レモンが乗っている塩ラーメンの記憶と、ラー油を別売りしていて、好きな人はこれを入れて食べるのですが、私はラー油派ではないので、ラー油はいつもNotオーダーでした。

最初に店に入り、先日電話した者で営業時間中に到着したことを伝えると、
「先日の電話のかたね!」と覚えていてくれたようです。これは予想外の反応で、うれしかったです。塩の「中」をお願いして座敷の方の席にてラーメンを待ちます。
10分ほど経つと、名前を呼ばれ、厨房脇にラーメンとご対面に行き、丼をいただいてきました。
ラーメン丼を持った瞬間に、「レモンとスープの香りが届きました・・。」
「これっ、覚えてます。」この瞬間、「この香りの組み合わせが忘れられなかったということを、思い出しました。」
ラーメンの香りとレモンの香りを一緒に経験したのは、十八番が最初で、その後、この経験をしていなかったです。これも、不思議です。他にも多くのラーメン店があり、提供している店もあるのでしょうが、能代を離れてから、ラーメンを食べることが段々と減り、今では殆どありません。そのために、このような経験が無かったのかもしれません。
「何故、ラーメンを食べなくなったのだろうか?」
十八番の衝撃を上回る店が無かったのが原因か?
ラーメンではお腹がいっぱいにならないので、物足りないと感じていたのが原因か?
脂肪を意識し始めたことが原因か?
良くわからないのですが、ここ10-20年食べていないのです。
蕎麦に嵌ったのも原因かな!?

30年ぶりの十八番の塩ラーメンは、美味しかったです。
蕎麦にもレモンが合うかもと想像しながら、店を後にしました。すだち蕎麦もあるので、合うと思います。


能代駅に着くと、秋田行きの電車までに1時間ほどあります。
駅の隣に、能代の観光案内所があるので、お茶するところを聞きに伺いました。
お茶より、こちらはどうですかと紹介されたのは、駅から10分ほどのところにある、昔の料亭後ということです。時間もあるので、ブラブラと歩いて向かいました。
「金勇(かねゆう)」と言う料亭です。30年以上前に、一度伺ったことがあるような門構えです。中に入り、靴を脱いであがると、廊下に見覚えがあります。入って右手の部屋で食事をいただいたことがあります。
そんな話を、受け付けに居られた方にお話しし、館内を見学させていただきました。当時、大広間等に入った記憶が無い、というより、そんな部屋に通される機会さえありませんでした。当時、ここは、官庁や政治家の多い店で、なかなか普通の方は、入ることができない建物でした。

中広間の天井の杉は、一枚板です。ビックリです。こんな天然杉の板を見たことがありませんでした。伺うと、樹齢数百年から千年かもという一本天然杉を、のこぎりで手で引いて板にしたそうです。樹齢に関しては記録が無いので分からないということでした。明治の初期のようですが、すごいです。
2階の大広間の天井板は、樹齢数百年の根から1枚しか取れない板を、百枚以上集めて敷き詰めたという天井です。1枚の板は畳と同じ大きさだそうです。見上げると、1ブロックは四畳半のサイズです。
部屋の周りのガラスは、手造りガラス(手漉き硝子)なので、屈折がある独特のガラスです。
この建物は、以前の持ち主から市に寄付され、市が管理運営しているそうです。
天然杉の建造物は、壊すともう作れないので大切に保存して貰えると良いですね。現在は、天然杉の伐採は禁止されていて、植樹の杉のみが伐採を許されているそうです。天然杉と植樹杉では、年輪の幅が大きく異なるそうです。もちろん、天然の方が成長が遅いので目が細かくなるのです。
フラッと寄ってみて良かったデス。

中広間の一枚板天然杉の天井
大広間の天然杉の根の板の天井

2017年2月8日水曜日

弘前城 禅林街 長勝寺 大正浪漫喫茶室 大阪屋

真冬で豪雪の中、弘前城、禅林街から長勝寺へ

下には雪が沢山積もっています。また、上からもどんどん雪が降り積る中、ゆっくりと転ばないようにと歩を進めました。地図では近いように感じていましたが、雪のせいか大変遠く感じます。積もった雪は平らではなく、登ったり下ったり、滑ったりと、本当に歩きにくい道です。

弘前城内は、この先に開催される冬のお祭りのために雪像造りが行われていました。多くの方が、雪の塊にスコップなどで削っていました。
雪の弘前城は、静かです。上からの雪で、音が消されているので余計に静かに感じます。





禅林街という言葉を、この弘前に来て初めて知りました。最初は意味が分かりませんでしたが、禅寺が一本の道の左右に沢山並んで点在している様子を言うそうです。33の曹洞宗の寺院が並んでいます。このような寺のあり方を、始めてみました。
弘前藩の二代藩主の津軽信枚が、長勝寺を当地に1610年弘前城築城とともに種里(現:西津軽郡鯵ヶ沢町)から移したことから始まり、当時領内で主になっていた曹洞宗の寺院をこの地に集め、、宗教文化の統一を図ろうとしていたことが背景にあるとのことです。
真っ直ぐな道で、遠くの突き当りに長勝寺があります。長勝寺に向かうための露払いのように32の寺が並んでいるように見えます。その正面に長勝寺の三門がそびえています。
雪が降りしきり、三門までが静けさの中でジーット息を潜めているようです。歩いている人もいないので、一人静かに一歩ずつ歩を進めていますが、その足音だけが聞こえます。余りに静かで、怖いようです。
禅林街 正面が長勝寺三門
長勝寺 三門
三門
歴代藩主霊廟
三門から町の方向を望む
禅林街を後にして、芯まで冷えた足で、もう一度弘前城の方向に戻りました。お城を出た時に、洋館の素敵な建物があったので、そこに戻ることにしました。帰りは不思議ですが行きより半分くらいの時間で着いたような感じでした。
到着すると、そこは藤田記念庭園という所でした。冬は雪の中ですので、庭園を見ても仕方ないのと振り返ると、そこに洋館があり、アップルパイという文字が。
藤田記念庭園内の大正浪漫喫茶室という所です。
中に入ると、どこがお店への入り口なのか分からないほど扉があります。その一つに「ここからおはいりください」の文字。その扉を押して中へ入ると、一瞬でメガネ真っ白に。暖かいです。冷え切った足と体にはありがたい温度です。
ここでは、弘前市内の5店舗のアップルパイを扱っています。その中から1つを選んでいただきました。タムラファームのアップルパイと弘前コーヒーをいただきました。ほんのり暖かいアップルパイは美味しかったです。





少し温まった体に鞭を打ち、最後に、和菓子屋さんへ行ってみることにしました。お店の方に伺い、大阪屋という超老舗の和菓子屋さんがあることを知り、Web検索してみると、結構近くにあります。
情報によると、羊羹あり、生菓子あり、竹流しという銘菓もあるみたいです。ということで、一路、大阪屋へ向かいました。
店構えもすごいですが、店内のお菓子、店の正面にある螺鈿の棚が見に飛び込みます。
本饅頭を頼むと、この螺鈿の棚の中からお菓子が出てきました。


和菓子の入った螺鈿
螺鈿から現れた本まんじゅう
最中やどら焼きもあります。この小豆あんの潰し具合が独特で、初めて経験する潰し具合でした。
小豆粒あんが絶妙
竹流しというお菓子ですが、そば粉の小麦粉に砂糖を加えて硬く固めて、薄くのして焼いたおかしでした。見本があり頂戴しました。この手のお菓子は、各地の城下町にあります。これまで、美味しいと感じたことが無く、結局購入しないのです。「あれ、これ美味しい。」と、いうことで大きなカンに入った竹流しを購入してしましました。最初に口に入れると、小麦と蕎麦の両方ともにあまり感じないし、甘みもあまり感じない。噛み進めると、蕎麦を感じ、小麦を感じ、甘みを感じます。不思議な美味しいお菓子です。ポリポリやるのに良さそうです。恐るべし、大阪屋です。 もし、もう一度弘前に来ることがあれば、もう一度伺い、他のお菓子も試してみたと思うお店です。

食べ歩き(91) OSTERIA ENOTECA DA SASINO 弘前市

OSTERIA ENOTECA DA SASINO

自ら生産した食材を用いてイタリアンを提供するお店です。
卵を採ること、自家製のワイン用のブドウの手入れしてブドウを収穫しワインを醸造され、自家製の生ハムを仕込み、自家製チーズも作るそうです。雑誌でも紹介されています。

レストラン山崎と同様に、メニューにないものを事前にお願いしての訪問でした。
用意されたメニューは、お店の方の手書きで次のようでした。



品数は8品で、ボリュームは多くはありません。すこし高いという印象を持ちました。
また、一品一品に感じる創造性は、特段高いというわけではなく、イタリアンとしてはオーソドックスな内容と感じました。出された料理に、特段驚きを感じなかったので、このような感想に。料理をみて、食す前にイメージが湧く、即ち、無難な料理内容で安心していただける料理ということです。
この店の売りは、食材が土作りからの自家製のものが多いという所だと感じました。メニューには、「自家製」という文字が並びます。また、パンは、普通においしいパンでした。
お店は5席で、全ての席が埋まってました。他の4席は全てカップルです。この店は、デート?が多いのかな??たぶんお医者さんのカップル?年配のカップル、たぶん同伴のカップル?ご夫婦と、満席です、混んでます。

自家菜園野菜・・・ブラッターチーズ
蟹と自家製リコッタのスモークサーモンインヴェルティーノ
自家製生ハム他
フォアグラのクリームブリュレ
鮑、ウニとボタネビの自家製ルーゴラ
馬肉のトルテッリーニ インブロード、黒トリュフ
馬肉のTボーン
紫黒米のタルト

2017年2月2日木曜日

食べ歩き(90) レストラン山崎 奇跡のりんご 弘前市

レストラン山崎に奇跡のリンゴの冷製スープをいただきに伺いました。

木村秋則さんの無農薬自然栽培のリンゴは、NHKプロフェッショナルでも取り上げられていますし、たくさんの著書があるので大変有名です。このリンゴがどんな味なのかにも大変興味があります。

レストラン山崎では、以前より木村農園のリンゴを用いたフレンチを提供した来たお店で、一度伺ってみたかったレストランです。木村農園の奇跡のリンゴを用いた冷製スープの開発物語は、「奇跡のリンゴスープ物語」となり出版されているのでご存知の方も多いのではないかと思います。

奇跡のリンゴスープと奇跡のリンゴを楽しみに、レストラン山崎へ。
本日のメニューは、シェフお任せの特別料理で定番のメニューにはないコースでお願いしました。最も善いという状態で提供される料理を楽しみにしました。

伺うと、最初にスープは3種類からオーダー出来るということでしたが、やはりリンゴの冷製スープでお願いしました。デザートもいくつかの中からオーダーできるということでしたが、リンゴとリンゴを用いたものでお任せしました。
そんなやり取りがあり、いただいたメニューは、次のようでした。



奇跡のリンゴ冷製スープはこれです。
はじめとの味で、美味しいスープでした。リンゴの良いところだけを抽出したように感じました。



奇跡のリンゴのコンポート

この後に、木村農園のリンゴを2切いただきました。
甘すぎず、自然なリンゴの味でした。

2016年12月20日火曜日

食べ歩き(89) orizzonte(オリゾンテ) 札幌

札幌のイタリアンで“Orizzonte”に伺いました。
何度か行ったことがあるお店です。
ピザが有名?なのかもしれません。パスタとピザの質を比較すると、ピザに力を入れているように感じます。

今日は、数名での訪問で飲み放題込みの5千円コースでした。
ピザ2種、パスタ1種、シザーサラダ、前菜、魚料理に、メインは豚のローストで、コスパは高いと思います。
お薦め?のピザは、マルゲリータ(写真)が1枚、茄子のピザが1枚でした。
大変薄いピザの下地に、アッサリと具をトッピングしているので、ボリュームは無いが食べやすいピザです。ピアにはたくさんの種類がありますが、アッサリなピザは食べやすいと感じます。美味しいピザでした。
ごちそうまさです。
前菜;鶏ささみのカルパッチョ

魚料理;ヒラメのフリッタ
メイン;豚ロースト

2016年12月14日水曜日

食べ歩き(88) 創作料理 華蘭亭 札幌市

札幌のホテルモントレにある、フレンチの華蘭亭です。

7名の面々で伺いました。
創作料理とありますが、店の前にはフランス料理とあります。店名からは中華かなと思われるような店名ですが。
飲み放題込みで5千円ですので、お安いフレンチですが内容は結構しっかりしています。かつ、席は個室に通されました。HOTELのレストランですが、コスパは高いです。

前菜は、ポテトサラダのシューとサーモンカルパチョ、フォアグラと根菜のパイ包み、パンプキンスープ、ロブスターグラタンと続き、メインは牛ロースト。最後にデザートとコーヒーでした。料理のボリュームは多くはありませんが、それぞれの料理はしっかりしています。
女性や食の少ない男性には、ちょうど良いボリュームだと思われます。








2016年12月9日金曜日

群言堂 榮玉堂 戸田屋正道 焼き菓子しょかん 山形市

どら焼きといえば、私の一押しは、日本橋の「うさぎや」です。
東北のどら焼きで最近人気があるのが、山形市の榮玉堂のどら焼きです。

山形市役所の近くにある榮玉堂に入ると、サッカーの中田さんや、ジャンプの高梨さんが来店した際の写真等がありました。スポーツ選手もどら焼き好き??なのかも。
そういう私も、どら焼き大好きです。
日本各地を伺った際には、どら焼き、羊羹は必ず試します。今日もその一環です。

榮玉堂 どら焼きで最も人気なのが、カマンベールだそうです。カマンベールのクリームをどら焼きの皮で挟んだものだそうです。どら焼きと言えば、中に挟まれるのは小豆あんです。クリームは邪道という考えもあり、折角勧めていただいたのですが、通常の小豆あんのどらやきだけを購入しました。なんと天邪鬼なという考えもよぎりましたが、やはり小豆あんでしょう。

実は、他にもう一軒行ってみたいお店があります。戸田屋正道という和菓子屋さんで、Webでは美味しそうな和菓子を提供しているようです。榮玉堂を出て、ブラブラと歩いて戸田屋正道に向かいます。

途中に、昔の商家と小川が流れる素敵なお店群がありました。七日町商店街の一角です。
お茶屋さん、呉服屋さん、そば屋さん、雑貨屋さんと素敵なお店が並んでます。この一角の最も奥に、「群言堂」がありました。「おはようございます。」と、声をかけられ思わず店の中へ。
全く「群言堂」のことは知りませんでした。島根県の石見銀山生活文化研究所という所が経営しているお店の、山形県のサテライト店だそうです。


店の中に置いてあるのは、自然色あふれるものや、昔ながらのものが置かれています。群言堂は、その筋(どんな筋)では、有名は自然派の生活を提案しているお店です。自然なものという所には大いに共鳴するところがあるので、お店の方に色々と教えていただきました。群言堂のこと、この辺で美味しいお店、保存剤や甘味料などを使用していないお菓子屋さん等々。そんな中で、「焼き菓子しょかん」「渋谷食品店」「月のパン屋」などの新たなお店情報をGotです。

群言堂のことは、これを機会にWebで調べてみます。大変面白い活動を長いこと行われてきているようで、大変興味深い団体のようです。ちょっと使ってみて、本当に良いものなのかを確認してみようと、布巾と変なたわし?を購入しました。一度使ってみます。





さて、群言堂を出て、戸田屋正道へ向かい直しです。結構歩いてやっとたどり着いた戸田屋正道は、お休みでした。なんということでしょうか?!!しっかりと定休日を確認していなかったのが悪いのです。
戸田屋正道から踵を返すと、そこに豆腐屋さんがあります。イートインが出来そうです。やけくそではありませんが、誘われるようにお豆腐屋さんへ。美味しそうなお豆腐が沢山並んでいます。懐かしい、豆腐団子があります。豆腐団子は、がんもどきより豆腐分を残して丸く揚げたものです。豆腐団子は、小学生のころからの大好物です。なかなか作っているところが無いので、最近は食べた記憶がありませんでした。思わずこれを頂きました。回りはがんもどきより硬く、中はがんもどきよりふんわりで、豆腐が沢山です。美味しかったです。ついでに、「湯葉揚げ卵とじ」というのもあります。こちらも思わずいただきました。お腹が空いていたのです。

戸田屋正道がお休みなので、もう一店どこか回ってみようと、豆腐団子をいただきながら思案。
先ほど群言堂で教えていただいたお店に行ってみようと、「焼き菓子しょかん」へ向かいます。ナビで見ると、今いるところが南高校の隣で、これから向かおうとするところは東高校の方です。歩くと小一時間かかりそうです。歩く速度も段々と遅くなってきていますが、頑張ってます。

住宅街の中にあり大変わかりにくい「焼き菓子しょかん」にやっと着きました。お店を外から覗くと、小さなお店です。
フランス焼き菓子が少しずつ並んでいます。さすがに群言堂さんから教ええいただいた店だけあって、どれも、添加物や保存剤等は使用していないそうです。少しずつ、数品頂戴しました。




ここまで来たのは良いのですが、これから山形駅まで歩く気力は無く、バスを探して乗車しました。途中で、最初に伺った榮玉堂を通ります。フランス焼き菓子は試せるけど、和菓子はどら焼きだけです。そうだ、最初に進められた、カマンベールどら焼きを試してみようと、急な心変わりです。もう一度入るのは、少し勇気がいりましたが、幸い、最初に伺った際の店員さんと違う方が店に立たれています。もう一度、最初からイチオシはと問うと、「カマンベーールです。」との返事。すかさず、「それください。」

榮玉堂のどら焼きの特徴は、皮が柔らかいことです。皮は一層でできており、ふんわりとしています。小豆あんは、灰汁を取ながら煮込んでいると思います。なぜなら、小豆の香りと味が上品だからです。皮と餡共にうさぎやのどら焼とは趣向が異なるものでした。
イチオシの、カマンベールどら焼きは、チーズクリームサンドカステラという表現でしょうか。こちらも、美味しいお菓子です。