本日のテーマは、西洋のだしと中華のだしです。
西洋のだしの講師は、銀座のRestaurant Annoreveの山岸シェフです。
フュージョン料理を提供されている方で、有名レストランで料理長を務められ、ハリウッドのアカデミー賞での料理にも関わられた方だそうです。
作るのは、次の3種のフォンを造りました。
白色系のフォンは
①フォン・ド・ヴォライユ
②フュメ・ド・ポワソン
褐色系のフォンは
③フォン・ド・ヴォー
①フォン・ド・ヴォライユ
鶏を中心に用いたフォンです。透明で黄色がかっています。香りは当たり前ですが鶏の香りです。
②フュメ・ド・ポワソン
舌平目を用いたフォンで、生から煮だしたので透明で魚の香りのするフォンが出来上がりました。
白色系2種 |
子牛をオーブンで焼いた後に煮だすフォンで、ブラウンで濃い味の骨髄の香りがするフォンができました。
その後に、それぞれのフォンを用いて、3品の料理を山岸シェフが造り皆で試食です。
①フォン・ド・ヴォライユを用いて、地鶏の胸肉のソテーです。
②フュメ・ド・ポワソンを用いて、真鯛の白ワイン蒸し
③フォン・ド・ヴォーを用いて、もち豚のロースト
それぞれ、フォンをソース煮詰めてその旨味を活かす料理でした。同じ食材を用いると間違いないということは良く理解できました。
続いて、中華は赤坂四川飯店総料理長の鈴木シェフです。
中華は、湯(タン)というだしが複数あります。また、地域で呼び名も変わります。しかし、基本的な考え方はどこの地域も同じという、さすが中国というだしの世界です。
基本的には、最上級の湯、普通の湯、2番だしの湯という3段階に分かれています。
それぞれの湯は、それぞれに合う料理に使われます。
今日は3段階の湯を引いて、それぞれの湯に合う料理を鈴木シェフが造ります。
四川での湯の呼び名は、ランクが高い方から「清湯」「毛湯」「白湯」となる。広東では、「頂湯」「上湯」「二湯」となる。
今回、毛湯を造り、毛湯から清湯と白湯を作るという手順でした。
まずは毛湯造り。
老母鶏、鶏ガラ、手羽先、鶏もみじはそれぞれ表面のアクをとり下茹でしてあります。
これらを水に入れ火にかけて、丁寧に灰汁をとります。その後ネギ、生姜の香味野菜を加えて加熱します。表面に浮いた油を取り除きながら煮込みます。弱く沸騰している状態を保ちます。
毛湯の出来上がりです。
頂湯は毛湯を沸騰させて、鶏ささみと豚赤身ミンチを混ぜて水で溶いて紹興酒を加えたものを加えます。そこに、金華ハムと干し貝柱を加えて煮ます。ここでも紹興酒を加えて加熱を続けます。肉が浮いたら長ネギ生姜を加え2-3時間煮込みます。
煮詰まって黄金色のスープになったら濾します。これで、清湯の出来上がりです。品の良いスープです。
清湯は綺麗なスープ |
白湯は、毛湯に背脂とラードを加え強火で煮たてて1時間ほど煮込みます。スープが白濁したら濾して出来上がりです。
清湯を用いて、夏草のスープ
毛湯を用いて、卵ときくらげのスープ
白湯と毛湯を用いて白菜と貝柱の煮込み
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