2018年6月8日金曜日

だしの研究(3) 日本のだしと味噌汁

以下のだしと味噌を用いて、味噌汁という成果物で比較検討しました。

味噌は以下の2種類
豆味噌
麦味噌

だしは以下の6種類
(1)昆布
(2)昆布+本枯節
(3)かつお荒節
(4)混合節(さば、宗田、むろあじ)
(5)かたくちいわしの煮干し
(6)昆布+かたくちいわしの煮干し

味噌汁の具材は以下の具材
豆腐とわかめ

(1)昆布だしのとりかた
  • 水900mlに真昆35gを入れて火にかける 
  •  (節を使わない精進料理での昆布使いは、永平寺;20cm/1l、修伯;35g/900ml、有馬古泉閣;30g/900mlにその他を加える)
  • 60℃まで加熱し1時間キープする
  • (瓢亭、赤坂菊乃井などで最近取り入れている方法。昆布問屋函館の佐吉の親方と色々議論し、このとり方が昆布のアク・臭み・ぬめりを出さずに旨味を取り出す方法という、現時点での結論に至っています。)
  • 昆布を取り出してだしの出来上がり
  • 1/3ずつの量を(2)(6)に用いる

(2)昆布+本枯節だしのとりかた
  • (1)の昆布だし300mlを火にかけて90℃まで加熱
  • 本枯節10gを加えて火を止める(赤坂菊乃井;50g/1.8l、かんだ;50g/1.5l)
  • 15秒待ちすぐに濾す
  • だしの出来上がり

(3)かつお荒節だしのとりかた
  • 水500mlを火にかけ加熱
  • 90℃になったら荒節10gを加えてる(木乃婦;吸い物だし;200g/18lに昆布を用いる)
  • 15秒待ちすぐに濾す
  • だしの出来上がり

(4)混合節(さば、宗田、むろあじ)だしのとりかた
  • 水700mlを火にかけ加熱する
  • 沸騰したら混合節(それぞれ15gで、総量45g)を加える(布恒更科;3.5kg/30l)
  • 最初の5分間は強火を保つ
  • その後火を弱めて、軽い沸騰状態を保つ
  • 30分ほど過熱して濾してだしのできあがり

(5)かたくちいわしの煮干しだしのとりかた
  • 水600mlを火にかけ加熱する
  • 沸騰したらかたくちいわしの煮干し25gを加える
  • 火を弱めて、軽い沸騰状態を保つ
  • 10分ほど過熱して濾してだしのできあがり
  • 150mlはだし(6)に用いる
(6)昆布+かたくちいわしの煮干しだしのとりかた
  • だし(1)とだし(6)を混ぜて加熱して出来上がり

結果
豆味噌麦味噌
昆布豆味噌の味が強い
具と一緒だと味噌しか感じない
麦みその味覚がだしを上回り、あまりだしを感じない
具と一緒だと物足りない
昆布+本枯節だしの甘みを感じ、味噌の塩味が低下する
具と一緒だと味噌汁として美味しい→甘みが増す。
だしの旨味と香りを感じる
具と一緒だと丁度良い
荒節だしと豆味噌の味を良い具合に感じる
具と一緒だと、だしが弱く味噌の味が前面に出てくる
だしの濁りを感じる
具と一緒だと、だしが薄れて物足りない
混合節だしが強いので豆味噌の旨味が低下する
具と一緒でも豆味噌の旨味が低下する
だしが強いので、あまり味噌を感じない
具と一緒だと、だし味噌味ともに良い
煮干だし、味噌ともに感じる
具と一緒だとだしが弱い
味噌とだしがほどよい
具と一緒だとだしが弱い
煮干+昆布だし、味噌ともに感じる
具と一緒だとだしは良いが豆味噌が弱い
だしが強いので、味噌の味をあまり感じない
具と一緒だとだしと味噌の味ともに良い

個人的な好みは、赤みそで昆布と本枯節のだしが一番口に合いました。
面白いのは、具を一緒にいただくと微妙にうま味の感じ方が変わるということでした。

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