鶴岡は雪が少しつもっています。アルケッチァーノまでの道路も雪が残っていて歩きにくい状況でした。
この時期のアルケッチャーノは3回目です。冬のこの時期は、庄内のジビエが出されてきました。たぶん今日もジビエかな??と思いつつ店に着きました。今晩のお客は、私達以外に、年配の方を含むご家族と、ビジネス関係の団体の方たち。店の中は話声でワイワイしています。
メニューが届きました。見ると予想通りにジビエ・ジビエ・・・とコースの最後にジビエ4重奏です。鴨、山形牛を挟んで、ウサギ、雉、熊が最後です。ここまで揃えられると、食べ比べ状態です。これは、楽しみです。
メニューには15品が記載され、前半から中盤は魚介中心の料理、その後にジビエという流れです。昨年のこの時期の料理と同じ内容の料理は1皿だけです。本当にクリエーティブはお店です。ここまで来ると、どこまで異なる皿を並べ続けることができるのだろうかと思います。これは、シェフと私の戦いですね??
全ての料理は、素材の持つ良いところは消さずに料理されています。塩の使いが際立ってきています。使用頻度も増えていますし、可能な限り塩でどうぞという意図を感じます。もちろん、オイルの使い方も抜群です。
今日、店に伺う前に、鶴岡駅前にできた、「FOODEVER(フーデヴァー)」(鶴岡市が「ユネスコ食文化創造都市」を標榜し、鶴岡市の食と風土を国内外に情報発信し、誘客を強化するための情報基地)に寄りました。この情報発信基地をプロデュースしたのは、ここのシェフの奥田さんです。ここに、代表的な塩、醤油、Oil等が紹介され販売されていました。
ここで、塩4種と、白醤油、オリーブオイル1種、バルサミコ酢1種を購入しました。目的は、手で石臼を回してソバの実を挽いて、そのままそばを打つと、雑穀としてのそばの香りと味を強く感じるそばになります。これに何を合わせるのが良いのかを検討中で、そのためにいくつか購入した次第です。この際に、私にはオリーブオイルの知識が無いので、お店の方に伺ったのですが、よく分からないという事でした。そこで、思いついたのが、オリーブオイルの使いかたなら、アルケッチァーノで聞いてみるということでした。
アルケッチァーノでは、2種類のオリーブオイルを使い分けているそうです。先ほど購入したものは使用していないことがわかりました。料理が進むにつれて、使い分けられているオリーブオイルの違いを少しずつですが感じられるようになりました。今晩のディナーの前半は、オイルの使い方確認と言うミッションと共に進んでいきました。
今日いただいた料理に使用されているオリーブオイルで試してみたくなりました。そこで、アルケッチァーノで使用しているオリーブオイルを分けていただくことに。このオリーブオイルに、数種類の塩の組み合わせで何がこのそばに合うのかを検討してます。この結果は、一期匠の別ブログ(一期匠 Many JPN)をどうぞ。
本日のメニュー
- 庄内浜からたいの湯引きと月の雫の塩
- サメと国産キャビアの冷たいカッペリーニ
- ひらめのエンガワとセロリのレモンじめセビーチェ
- 魚のミルフィーユしたていろんなハーブと
- ますの43C調理その骨とアボガト
- マグロのグリルと小松菜のサラダ仕立て
- ハタハタの湯あげたと酸っぱくした赤ネギ
- 白子と宝谷かぶのリゾットトリュフの香り
- 牡蠣と白菜とタラに柚のスープ スパイシーなバリバリ
- 鴨肉とアサツキのペペロンチーノ
- 山形牛のコンフィーユと赤根ほうれん草
- ウサギとごぼうのスープ
- きじとじゃがいものオーブン焼き
- クマ肉のグリルとイタリア野菜
- チョコレートのジェラード
そして、今回のメニューは次のような考察を、私に与えてくれました。
5種の肉をいただき、改めて米沢牛の美味しさを感じました。人の味覚に美味しと訴えられるようになっていることです。
ウィキペディアでは味覚を次としています。(引用)
- 味覚(みかく)は、動物の五感の一つであり、食する物質に応じて認識される感覚である。生理学的には、甘味、酸味、塩味、苦味、うま味の5つが基本味に位置づけられる。基本味の受容器はヒトの場合おもに舌にある。基本味が他の要素(嗅覚、視覚、記憶など)で拡張された知覚心理学的な感覚としての味は、風味(ふうみ)と呼ばれることが多い。また、認識の過程を味わう(あじわう)と言う。
また、肉の味には肉の硬さも大きく影響する。味に直接影響するのではなく、硬ければよく噛むので、その分その肉が持つ本来の味を感じる。米沢牛と熊との大きな違いは噛むことで本来の肉の味の引き出し方に違いがあるからとも考えられる。熊は良く噛むことで、熊肉の本来の美味しさを強く感じます。
ジビエを頂いた後に、しばらくすると(数分後ですが)、ジビエを思わせる香りと戻ってくるような味覚を感じます。これを「ジビエ後風味」と呼ぶことにします。これは、私だけなのかな??という疑問もあります。
「ジビエ後風味」は、決して嫌な風味ではないのですが、フワーと独特の動物臭とでも言うような、あるいは、満腹感を与えるような感覚です。(知覚心理学的な意味での味のことを風味というので、ジビエ後に感じるのは「風味」かもしれないと考え、「風味」という用語を用いた。)
食べている際に感じる味覚で、最も主張がないのが雉でした。次がウサギ、牛、鴨、熊の順です。しかし、「ジビエ後風味」が最も強かったのは、食べている時の味覚とは全く反対の雉でした。鴨⇒牛⇒ウサギの順で進みますが、この間には、「ジビエ風味」をさほど強く感じませんでした。そして、雉を食べてる際には、アッサリした鶏に近い味覚を感じながら食べ終え、数分経つと、「ジビエ後風味」満載です。凄い「ジビエ後風味」を感じました。
もう次のメイン料理の熊はいらないと思いながら、最もジビエの味覚を主張している熊を食べ合わると、雉の「ジビエ後風味」が全く消えています。これは、不思議な感覚でした。私にとってのジビエ感は、最終的には雉が一番強いという結論です。味で感じたジビエ感は熊ですが、実は「ジビエ後風味」と言う視点では、雉という結論です。実際、すこし戸惑い、不思議でした。
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