仙台で本格的な中華を提供しているKUROMORI に伺いました。
黒森洋司シェフのこだわりを随所で感じられるディナーでした。
約1ヵ月ほど前に、仙台のヒロセガワサロンの教師としてお会いしましたが、今日は黒森シェフの中華を楽しみにして伺いました。仙台の街中は、光のページェント開催中で道路が混んでいて、15分ほど遅れてしまいました。店に入ると、すでに1皿目が終わるところでした。スミマセン。年配の二人、男女ペア一組、おひとりが私を含めて2人です。
最初の皿は、あん肝の四川ソース、スッポンの煮こごり、平目の昆布〆です。3品共に、食材は大変良いものですし、スッポンの煮こごりは、その食感が抜群です。
このあとに、角田市の斎藤ブタ(斎藤さんが育てたブタ)が、叉焼とバラ肉焼きで出されました。斎藤ブタは、黒森シェフが名付け親のブランドブタだそうです。シェフが食べ歩き見つけた、本当に美味しいと思えたブタだそうです。齊藤ブタの叉焼とバラ肉焼きは優しい甘みと良い香りを感じさせる肉でした。バラ肉焼きの方は、当然ですがダイレクトに豚の甘みと香りを感じられます。異なる2つの調理法で斎藤ブタを楽しみました。
次がイヨイヨお待ちかねの、「気仙沼吉切鮫尾ヒレ(フカヒレ)の煮込み」です。フカヒレは、1週間くらいかけて戻すそうです。何も余計な物を加えていないフカヒレの煮込みは大変優しい味です。そもそも、フカヒレには味がありませんが、この味がフカヒレ本来の味なのですと錯覚させるような味に仕上がっています。食感は溶けるようですがゼラチンの感触も主張します。これまで、そんなにたくさんのフカヒレをいただいた訳ではありませんが、これがフカヒレなのでしょう。今後は、このフカヒレが基準になるので、この後にこれを越えるフカヒレに出会うのが難しいのではと思います。
「地鶏のパリパリ揚げ」「芽キャベツの上海蟹あんかけ」と続きました。メインが「鴨とちじみほうれん草の甜麺醤ソース」です。この合鴨も柔らかいけど鴨のしっかりした歯ごたえを持ち合わせています。バランスが抜群です。
鴨がメインと思っていたら、そうではなかったようです。次に、「南三陸31頭吉品鮑の煮付け」が提供されました。吉品鮑は干し鮑の中では最高の品です。これを、オイスターソースを用いずに、自家で牡蛎を用いて煮込んでいるそうです。このサイズの干し鮑は戻し初めから料理として出すまでに20日前後をかけて料理するそうです。
吉品乾鮑というのは、南三陸の吉浜で取れた鮑を糸で繋いで天日干しするそうです。黒森シェフは、今年天日干しをされたそうです。生産の現場に出向いて、生産の現場にまでこだわって食材を選ばれているのがよくわかるお話でした。吉品鮑を次に食べる機会を持てるのかな?と漠然と思いました。
吉品鮑に関する「国際ブランドとしての岩手県産“吉品乾鮑”の価値と課題 -地域資源の価値創造のために-」(2016 宮田勉)という論文があります。これによると、17世紀から中国では干鮑を高級料理として食していたようです。岩手県産乾鮑(吉品乾鮑ブランド)は長きに亘り存続し、現在ではトップ・ブランドに君臨しているようです。宮城県はフカヒレどころか17世紀から築き上げた世界ブランドがあるのですね。
鮑の後には、〆?の「香麺(平目のだしの拉麺)」でした。
「まだ食べられる❓」と問われ、「はい」と答えると、麻婆豆腐を用意してくださいました。宮城県の村田町で採れる空豆から毎年作っている甜麺醤だけで作る麻婆豆腐も美味しかった。
デザートは、杏子の種から作られた杏仁豆腐でした。初めて食べた本物の杏仁豆腐です。これが杏仁豆腐なのだと認識しました。
(食材)+-(ゼロ)と言う、食材を活かす料理を堪能しました。
(食材)+-(ゼロ)と言う、食材を活かす料理を堪能しました。
黒森シェフのポリシーに賛同です。是非、また伺いたいと思います。
気仙沼吉切鮫尾ヒレの煮込み |
原鰭(げんびれ) |
地鶏のパリパリ揚げ |
芽キャベツの上海蟹あんかけ |
鴨とちじみほうれん草の甜麺醤ソース |
南三陸31頭吉品鮑の煮付け |
村田の空豆甜麺醤の麻婆豆腐 |
杏子の種からの杏仁豆腐 |
<参考資料>
(1)2016 宮田勉 国際ブランドとしての岩手県産“吉品乾鮑”の価値と課題 -地域資源の価値創造のために- 国際漁業研究 第 14 巻,2016
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