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2018年3月28日水曜日

食べ歩き(130) 柳麺多むら 能代市

柳麺多むらの田村壮司さんは、ミシュラン一つ星獲得した東京のラーメン店「鳴龍」の立ち上げ時に、スタッフとして齋藤店主を助けたかたで、故郷の能代に戻り、2015年4月23日に開店させたのが、「柳麺 多むら」だそうです。

にわかに調べた結果が上記のようでした。
実は、本日の目的は、能代市で昔からある老舗ラーメン店であり、昨年28年ぶりに伺った十八番へ、再訪しようと思っていました。ところがです。本日休店でした。

そこで、スマホで食べログから情報を得たところ、何と、十八番よりも点数の高い店があります。そもそも、ラーメンは嫌いではありませんが、余り積極的にいただかないので、全く知りませんでした。最近だしも研究対象に加えた私にとって、ラーメンスープは検討の対象になるということで、十八番のスープは耽溺性があるよな?との思いで再訪しようと考えたのでした。

柳麺多むらの情報を確認すると、冒頭に記載した内容の情報がありました。これも何かの縁ですので、本日開店中を確認して急ぎ店に向かいます。

店に入ると、席は満席で2名が待たれています。直ぐに数名が立ち上がられたので、これで席に着けそうです。メニューを見ると、いくつかの種類のラーメンがあります。ここは、ラーメン自体を良く知らないので周りの方の注文を確認してみてもよく分かりません。そこで、お店の方に、「イチオシは何ですか?」「もちろんどれも美味しいのでしょうが、最初に食べてみたほうが良いと思われているのはどれですか?」と尋ねてみました。すると、即答で「醤油」というので、それを一つ、硬麺でお願いしました。

醤油のスープストックの作り方情報は、お店にありました(以下の写真です)。
動物、野菜、魚を用いたスープストックのようです。
実際に届いたラーメンのスープは、謳い文句通りだと思われますが、脂を感じるスープでした。しっかりしていて、濃いめで、脂を感じるスープです。叉焼と煮豚は普通の出来でしょうか。私にはとっては、これがそんなに高い評価なんだ?と感じた一品でした。もちろん、美味しのですが、美味しいだけのような感じがして、何か足りないように思えた次第です。


メモ
価格:750円
熱量:約749kcal

2018年1月27日土曜日

食べ歩き(116) 伊達屋 塩雲吞麵 福島市

ラーメンはあまりいただかないのですが、この伊達屋というお店は、東北の福島市のそれも市内から外れたところにありながら、大変評価が高いお店なので興味がありました。福島市内にはよく行くのでが、なかなか伺う機会が得られずにいました。ネットで確認すると、開店後はお客が並んでいてスープがなくなると閉店ということなので、時間の調整が難しく行けずじまいでした。

やっと時間ができたので初めての訪問です。開店前に着くとまだ誰も並んでいません。雪が降り、積雪の道で、かつ朝から冷えて寒いのが幸いしたのか、お客さんの出足が鈍いようです。店のドアの前に名前を記すノートがあり、その一番上に名前を書いていると、2番目の方が来られ、3番目の方もと、ドンドンお客さんが集まってきます。2番目の方は初めて車で来たのですが、どこに止めましょう?と雪の駐車場で右往左往しておられました。


開店時間になり、最初に名前を呼ばれ店内に入ると、元気な声で迎えてくださいます。席に着き、私がオーダーを伝えると、フロアー担当の奥様(たぶんそうだとおもいます)が大きな声でオーダーを調理担当の旦那さんへ伝えます。すると、旦那さんが厨房から、「ありがとうございます、●●ですね了解しました。」とかえします。そして、私のオーダーが終了すると、二番目に待たれていた方を外に呼びに行かれます。2番目の方が店内に入り、オーダーが決まり、奥様と旦那様のやり取りが終わると次のお客さんを外に呼びにいかれます。一人ずつ呼んで注文を丁寧に聞いてから、次のお客さんに同様に対応するという店の方針が伺えるものでした。どのお客様にも同じように接する姿勢です。すごく気持ちの良いお客の出迎えと、注文をツールとした奥様と旦那様とのやり取りが素敵なお店です。

1番であった私は、厨房の中が伺える席にどうぞと通されました。その席は厨房で働く大将の目の前なので、大将の動き、スープの寸胴の中などがつぶさにみてとれるので興味深く観察していました。
大将が塩を目分量ですくいドンブリに入れる姿はスキがありません、少しだけ腰を落とし前かがみになり、目の少し下に塩を持ち上げ、一定のリズムで同じ動作で一定量の塩をすくい2回にわけて丼にいれます。この姿勢や塩をすくうタイミングなどが毎回一緒なのです。寿司職人が寿司を握る姿と一緒でした。職人技ですね。
その動きは、静かで緻密で無駄がないのがよくわかります。派手なパフォーマンスではなく、静かできれいな所作です。これを見られただけでも、1番に来た甲斐がありました。

注文したのは、塩のワンタン麵にチャーシュートッピングです。一番の人気商品は、塩雲吞麵と書いてあり、次が塩チャーシュー麵なので両方入れていただきました。
1回に作るのは3人前のようです。最初に作られたのが、私から3番目の方まででした。その後も、3人から4人前を一度に調理していました。

塩雲吞麵チャーシュートッピングが出されました。
スープは透き通っていて綺麗なスープです。味は、大変あっさり味ですが、その後にコクが残ります。何でスープをとったのかが全く分からないような仕上がりになっています。そのために、主張が強くないのですが美味しいのです。和風のだしでいうと、鰹だしでもなく、魚の乾物からとっただしでもなく、昆布だけのだし、椎茸だけのだしでもなく、これらが絶妙にバランスされ、かつ、一番だしのように旨みはあるが個々の素材は主張していないのです。
旨味とコクはありますが、自然でいやみが全くないスープだと思いました。あまりラーメンを食さないのですが、このようなラーメンのスープは初めてでした。

次の感動は、チャーシューです。美味しいです。柔らかいです。消えます。しつこさは全くありません。何枚でもいけそうです。相当な時間をかけ、しっかりと管理しないとできないチャーシューです。何度か、溶けるよなチャーシューに出会いましたが、これはその中でも絶品ではないかと思いました。次回来られる時があれば、チャーシューをダブルでいただきたいです。このチャーシューの作り方を教えていただけたら幸せです。

もう一方のエビワンタンは、プルットとツルットであらわせます。美味しいワンタンです。これも手作りワンタンで、ワンタンの皮もしっかりしていています。ワンタンとスープでも1品として商品化しても良いのではないかと思いました。

麵は細麺です。私自身は細麺派なので、この麵の細さが好きです。よって、伊達屋さんの自家製麵は細麺で私好みですので、よりおいしく感じました。私がこのラーメンを食し始める少し前に、あるお客さんが「麵は硬めでお願いします。」というのを聞きました。そうです、博多みたいに麵の硬さを指定できたようです。

最後のスープまでいただいて、大満足でお会計をしようとレジのところに行くと、女将さんが対応してくださりました。すると、その後ろに旦那さんが来られて、「ありがとうございました。お待たせしてすみませんでした。また、是非おこしください。」と挨拶されます。私は、「大変美味しいくいただきました。ありがとうございました。」と返して店をでました。最初に入った時から、最後に出るまで、お客さんの一人一人に目を配られている姿勢が素晴らしかったです。本来のおもてなしなのではないかなと感じながら帰路につきました。

大将に言われたからではありませんが、本当にもう一度伺いたいと感じました。お二人のたいへんやさしいきもちが、お客さんへの対応や、ラーメンのスープや、チャーシューや、ワンタンや、麵ににじみ出てくるような感覚を得ました。ラーメンだけではなく、このお店で得られる満足感は、やさしいおもてなしなのだとおもいました。凍えるような寒さの中で待っていたのを忘れさせてくれる時間と空間と雰囲気とラーメンでした。

もう一度伺って、塩雲吞麵を硬麵でチャーシュウダブルトッピングで食べみたいです。ラーメン店では滅多にないことですが、伊達屋さんが再訪してみたいラーメン店の2軒目となりました。

2017年3月2日木曜日

食べ歩き(92) 十八番 旧料亭金勇 秋田県能代市

30年ぶりの十八番のラーメンに行ってきました。

昔から週に3-4日しか営業していなかったのですが、今もそのようで、月、火、木、金のみの営業のようです。先代が数年前に亡くなられたそうです。合掌。

変わったこともありますが、お店のセルフサービスは変わっていませんでした。オーダーして、ラーメン食べて、丼を返して、お金を払って帰るという、懐かしい流れに乗ってきました。

十八番のラーメンの味を覚えていないというのが正直なところでした。しかし、十八番のラーメンを忘れられずに30年経ちました。レモンが乗っている塩ラーメンの記憶と、ラー油を別売りしていて、好きな人はこれを入れて食べるのですが、私はラー油派ではないので、ラー油はいつもNotオーダーでした。

最初に店に入り、先日電話した者で営業時間中に到着したことを伝えると、
「先日の電話のかたね!」と覚えていてくれたようです。これは予想外の反応で、うれしかったです。塩の「中」をお願いして座敷の方の席にてラーメンを待ちます。
10分ほど経つと、名前を呼ばれ、厨房脇にラーメンとご対面に行き、丼をいただいてきました。
ラーメン丼を持った瞬間に、「レモンとスープの香りが届きました・・。」
「これっ、覚えてます。」この瞬間、「この香りの組み合わせが忘れられなかったということを、思い出しました。」
ラーメンの香りとレモンの香りを一緒に経験したのは、十八番が最初で、その後、この経験をしていなかったです。これも、不思議です。他にも多くのラーメン店があり、提供している店もあるのでしょうが、能代を離れてから、ラーメンを食べることが段々と減り、今では殆どありません。そのために、このような経験が無かったのかもしれません。
「何故、ラーメンを食べなくなったのだろうか?」
十八番の衝撃を上回る店が無かったのが原因か?
ラーメンではお腹がいっぱいにならないので、物足りないと感じていたのが原因か?
脂肪を意識し始めたことが原因か?
良くわからないのですが、ここ10-20年食べていないのです。
蕎麦に嵌ったのも原因かな!?

30年ぶりの十八番の塩ラーメンは、美味しかったです。
蕎麦にもレモンが合うかもと想像しながら、店を後にしました。すだち蕎麦もあるので、合うと思います。


能代駅に着くと、秋田行きの電車までに1時間ほどあります。
駅の隣に、能代の観光案内所があるので、お茶するところを聞きに伺いました。
お茶より、こちらはどうですかと紹介されたのは、駅から10分ほどのところにある、昔の料亭後ということです。時間もあるので、ブラブラと歩いて向かいました。
「金勇(かねゆう)」と言う料亭です。30年以上前に、一度伺ったことがあるような門構えです。中に入り、靴を脱いであがると、廊下に見覚えがあります。入って右手の部屋で食事をいただいたことがあります。
そんな話を、受け付けに居られた方にお話しし、館内を見学させていただきました。当時、大広間等に入った記憶が無い、というより、そんな部屋に通される機会さえありませんでした。当時、ここは、官庁や政治家の多い店で、なかなか普通の方は、入ることができない建物でした。

中広間の天井の杉は、一枚板です。ビックリです。こんな天然杉の板を見たことがありませんでした。伺うと、樹齢数百年から千年かもという一本天然杉を、のこぎりで手で引いて板にしたそうです。樹齢に関しては記録が無いので分からないということでした。明治の初期のようですが、すごいです。
2階の大広間の天井板は、樹齢数百年の根から1枚しか取れない板を、百枚以上集めて敷き詰めたという天井です。1枚の板は畳と同じ大きさだそうです。見上げると、1ブロックは四畳半のサイズです。
部屋の周りのガラスは、手造りガラス(手漉き硝子)なので、屈折がある独特のガラスです。
この建物は、以前の持ち主から市に寄付され、市が管理運営しているそうです。
天然杉の建造物は、壊すともう作れないので大切に保存して貰えると良いですね。現在は、天然杉の伐採は禁止されていて、植樹の杉のみが伐採を許されているそうです。天然杉と植樹杉では、年輪の幅が大きく異なるそうです。もちろん、天然の方が成長が遅いので目が細かくなるのです。
フラッと寄ってみて良かったデス。

中広間の一枚板天然杉の天井
大広間の天然杉の根の板の天井