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2018年4月12日木曜日

食べ歩き(135) 丸新 日本料理 郡山市 

棚倉の小判寿司の和知さんからの紹介で郡山市の丸新の熊倉誠さんのお店に伺いました。
郡山駅前の道を真っ直ぐに行くと少しだけの登りになっています。ゆっくりと歩いて20分ほどで到着です。店構えが大きくて驚きました。数年前に移転と何かで拝見しましたが、立派なお店です。

緑色の暖簾がかかる門を通り奥へと石畳を進むと入り口があります。それを開くと正面には立派な桜のいけばなが出迎えてくれました。暖簾からここまでで圧倒されてしまいそうです。


中に入ると左手にカウンターがあり、そこに親方の熊倉さんが出向かえてくださいました。すでに奥の席にお二人が食事を開始されていました。ご挨拶して通されたのが熊倉さんのまな板の真ん前の席でした。

熊倉さんは、笑顔が素敵で、かつ、気さくな方で、福島弁??を操られます??
店構えと熊倉さんのキャラクターとのギャップもあり、面白いお店です。いきなり魅せられて大好きなお店になってしまいました。5月のランチと6月の私の誕生日に予約です。

色々なことにチャレンジされているようです。今週末には郡山で食の祭典を企てられていて、ここでは熊倉さんと和知さんのコラボがあるそうです。天気予報が雨なので心配されていました。案内状では市民の方を対象としたイベントのようです。

今日もおまかせでお願いして、いつものように飲み物は炭酸水です。

最初の料理は、季節野菜のだしゼリー寄せです。
だしゼリーは、本枯節血合付きで煮出しただしをゼリーに固めています。野菜はスナップえんどう、水菜やグレープフルーツです。これらの野菜と果物を、「だしゼリー」がまとめてくれます。鰹だしなのでイノシン酸を中心としたうま味を十分に感じさせます。水菜の香りと食感がアクセントになっていて美味しい野菜寄せでした。

二品目は、お吸い物です。地元産アイナメと筍のお吸い物でした。だしは、昆布と鮪節で引いているそうです。一品目で使用されているだしとこのお吸い物のだしは全く異なるものでした。香りが立っていますし、昆布のだしを感じます。アイナメを口に含むとフワットした食感で、ほろほろと砕けて消えていくようです。地物のアイナメだそうで、相当自信をもって提供されていました。確かに美味しいアイナメのお吸い物です。


向付は、富山産海老と海老の頭、イカ、鯛です。
加えて、熊本産の神経〆のサバは肉のような旨みをもつ大変おいしい鯖です。ついで、スズキの回りを蒸して真ん中は生の蒸しスズキです。蒸されたスズキの白身がとろっとしていて、真ん中は刺身の食感と味があります。回りのとろっとしたスズキの美味しさを楽しむと奥から刺身の美味しが追いかけてきます。全ての刺身は何も付けす、あるいは、岩塩を1粒付けていただきました。魚のうま味がそれぞれ活きています。



続いて、焼物です。鯛松笠揚げ、長崎産のノドグロ、鱈子、浜ゆでのホタルイカに付け合せに大根をだしにて湯がいた後に唐揚げしたもの。全て、食材も大変良いもので、料理としてはオーソドックスですが、一つひとつが本当に美味しいです。大根の唐揚げと紹介されたのですが、なにかうま味があり、唐揚げにすると味が凝集してうま味を強く感じるのかな?と熊倉さんに尋ねると、ニヤリとしてから、「じつはだしで湯がいてから揚げているんです。」やはり、細かなところで仕事してます。


酢の物で箸休めですが、休むわけにいかない箸休めです。
蒸したての相馬産毛蟹で、少し温かさが残る毛蟹です。温かい毛蟹はカニの甘味と独特の旨味を強く感じさせます。これは良し悪しで、カニの持つ独特のエグミを感じさせることもあります。良い状態の毛蟹は温めるとうま味が増して大変おいしく戴けるのですが、少しでも状態が悪いと、カニのエグミが気になることになります。そこで、大抵の場合は冷たい状態で毛蟹を提供することが多いのです。この毛蟹は相馬産の毛蟹で大変良い毛蟹でした。北海道で温かい毛蟹を自信を持って提供されたのは、過去に釧路の絹だけでした。温かい毛蟹は本当に久しぶりです。この毛蟹だけでも凄いなと感じたのですが、この毛蟹のために、3種類のつけ汁、と言うより、3種類の付け合せが付いてきました。一つ目は、土佐酢のゼリーです。二つ目が、鯛やアジなどの白子にレモン酢や煮切り酒等で整えたもの。三つ目が、カニみそだけなら普通ですが、これに地元産の胡麻油を少し添えたもの。カニみそだけでも美味しいのですが、これと胡麻油が大変良く合います。この胡麻油は田村町産の胡麻を二本松で絞っているものだそうです。「緑色」したこの胡麻油は美味しいですが、一般には販売していないそうです。熊倉さんにお願いして、次回伺う時までに取り寄せて下さるということになりました。ありがとうございます。




続いて、焼いたホワイトアスパラに柔らかいみそに岩塩と黒い粒と一緒にと言うようなものでした。この時期の焼いたホワイトアスパラの独特のうま味と食感が良いです。これに、添えられた黒い粒が大変良いアクセントになっています。この黒い粒は初めてでした。黑胡椒を茹でるか何かして柔らかい食感を生み出し、胡椒の辛さを極力抑えて良い香りだけを感じさせるように仕上げるのかな?と思い尋ねると、「生の黑胡椒です。」とのことです。生の黑胡椒はこんなに美味しいのか?とびっくりです。「和食では、胡椒はあまり使いませんが、これは面白いです。」と続けられました。色々と勉強されています。

北海道産海胆と相馬産鮑の天ぷらです。どちらも素材の勝利です。ウマイです。
ウニはとろけます。鮑は食感、硬さ、うま味、揚げ具合ともに申し分ない美味しさですし、ボリュームもありますので、これでもかというほどです。本日のメインデス。
相馬産鮑は産地から近いから出せる味なのだと思います。相馬産がしばらく無かった時と比べると少しずつ相馬産という声が聞こえるようになって来ています。熊倉さんのところもそうですが、仙台のお店でも、これは相馬からですという声を聞くようになりました。まだ、昔のようではありませんが震災から少しずつですが戻りつつあるのです。

洋食的にはメイン料理で、牛ステーキに牛蒡のクリームと在来種蒟蒻芋によるこんにゃくの付け合せ(肉の下なので見えない)です。牛肉は味噌漬の後に、数回焼きとさましを繰り返して火入れするそうです。牛肉のうま味を凝縮したような美味しいお肉です。以前からお客さんから肉は無いのというリクエストがあり、最近ではお肉料理を提供するようになったとお話されていました。肉の取り扱いもさすがです。大変おいしく仕上げています。
また、付け合せのこんにゃくは、最高でした。福島の在来種の蒟蒻芋から、昔ながらの製法で作り上げているこんにゃくだそうです。ある意味、これが本当のこんにゃくなわけです。普段いただいているコンニャクとは全く異なる食べ物です。普段いただいているコンニャクは何なのだろう??実は、普段のコンニャクも大好きなのです。
「是非一度、このこんにゃくを味噌田楽で食べてみたいですね?」と無理なお願いをしてしまいました。「では、次回に。」とおっしゃっていましたが、本当にいただけたら幸いですね。

食事の前に酢飯でした。
ご飯に白子を加えて混ぜ、ベーコンを数切れ加えて、3年物の赤酢で〆ています。「白子とベーコンに酢が合うのか?」と思ったのですが、酢が良いバランスを保つことになっているのと、海苔も効いています。面白いですし、お試しあれと言う一品です。


最後に食事です。
味噌汁は、郡山特産のナメコの赤だしでした。昆布だしに追い鰹をして香りを立たせただしに、赤味噌と八丁味噌のブレンドだそうです。昆布だしのうま味に追い鰹の香りが効いていて、そのうま味と香りに八丁味噌のうま味と香りが乗るので両者が相まって良い味と香りです。只者ではない赤だしでした。

蕎麦は、会津のかおりの十割の手打ちそばでした。玄そばをそのまま挽いて微粉部分のそば粉によるものと推察されます。60メッシュ位で篩ったそば粉ではないかと思います。そば汁は、かえしを用いずに、昆布だしに鰹の煮だしと味醂と濃口醤油で整えています。「最後の料理なのでそば汁に強い印象を残さないように、かえしの汁は用いていない。」とのことです。
小職のそばの方のブログに記載していますが、同意見です。強いそば汁は全ての味を汁の味にしてしまうほどに強烈なインパクトです。現在の旨いそば店=つゆが旨い店という構図が見られるのが残念ですが、これも、そばの香りがしない蕎麦が殆どなのでやむを得ないと思います。これに立ち向かうそば店が出てきていて、それを支持する方も少しずつ増えてきていることに、希望の光が見えてきてはいますが??!!

デザートは、エックスベリーというイチゴのジェラートでした。エックスベリーは福島産で、現在注目のイチゴです。甘くて濃厚で中まで真っ赤で幻のイチゴと言われています。果汁とそれを煮詰めてジャムにしたものを用いてジェラードにしているそうです。あっさりとしていますが、イチゴ味が濃厚でした。2つも付いていてラッキーです。

大変楽しい食事でした。熊倉さんの仕事ぶりは大変細かなところに手を加えています。しかし、それをあまり前面に出さないところが福島県人的なところなのだと思います。時々垣間見られる「余り回りに気づかせない静かなドヤガオ」が素敵でした。

メモ
価格 : 14,850円
熱量 :  1,154kcal

2018年3月1日木曜日

菓子/和菓子 どら焼き比較 福島県二本松と山形県米沢

福島県の二本松や山形県の米沢には、昔からの羊羹の店がいくつかあります。二本松では、玉嶋屋が歴史があります。多くのメディアで取り上げらてています。店内には、それぞれのテレビ撮影時の写真があります。

昔ながらの製法で、薪で火を熾して小豆を煮詰めて練り上げます。この製法のために、保存剤が無い時代でも長く食べることができました。また、出来上がった羊羹は笹の葉などに包んで保存してました。すると、少しずつ羊羹の砂糖部分が表明に浮き出て濡れ砂糖の塊になるので、回りが硬い砂糖の鎧をつけて、中は柔らかい羊羹というお菓子に変化します。このような昔ながらの羊羹を今でも提供している玉嶋屋さんです。

二本松にはもう一店、楽天市場で1番をとるどら焼きを販売している増田屋というお店があります。二本松駅から少し距離があります。増田屋さんの「純生クリームどら焼き」が楽天で大変売れているそうです。
どら焼きといえば、私の中では、うさぎ屋本店の味が基準なので、それを越えるものがあるのか?との疑問が以前からありました。

加えて、二本松は福島の真ん中の北側で、隣が福島市、その先が米沢市となります。山形県の一人あたりの羊羹消費量は、全国1位であったと記憶しています。この地を治めてきたのは、名将上杉家です。この城下町には羊羹合戦に登場する「塩羊羹」の十印があります。また、十印のある川西地区(今は、羽前小松)には、別の和菓子店の錦屋があります。ここの練小豆羊羹は古くから献上羊羹です。

もう一店、同じ川西に、サトー屋菓子店があります。実は、増田屋さんの純生クリームどら焼きで有名になりましたが、どら焼きに餡以外の食材を組み合わせて提供を始めたのは「バターどら焼き」で、その元祖は、サトー屋菓子店と言われています。相当以前からバターどら焼き、クリームどら焼きにはじまり、イチゴどら焼き、バナナどら焼きなど色々などら焼きがあるそうです。この○○どら焼きは、各地で様々なお店が提供するようになってきています。東北では、看板をよく見るようになりました。

というわけで、今回は全てのどら焼きの基礎となる、小豆餡のどら焼き3種を同時購入して比べてみました。

出演者:増田屋さん、サトー屋菓子店さん、十印さんです。
対 象:全てプレーンのどら焼き

【包装と値段】
増田屋:160円
サトー屋菓子店:98円
十印:130円

成分:商品裏の記載のまま
増田屋
サトー屋菓子店
十印

見た目;左から>十印>サトー屋菓子店>増田屋
皮の感じ
増田屋:柔らかいですが、皮自体の味の主張はありません。
サトー屋菓子店:超柔らかいです。口に入れると溶ける柔らかさです。よって、皮の味の主張はほとんどありません。
十印:どら焼きに多い皮の硬さですので、うさぎ屋に比べると硬い部類に入ります。味は抑え気味です。

餡の感じ
増田屋:小豆を良く潰している餡です。よって粉っぽさを感じます。加えて、小豆本来の香りや旨味はあまり感じません。
サトー屋菓子店:小豆のつぶしは、小豆の粒を感じられない程度に潰しています。小豆の香りや旨味は少しだけ感じますが弱いです。
十印:小豆の粒の存在を感じます、少しだけ小豆粒の皮が硬めです、小豆の香りと味を感じますが、うさぎ屋ほどではありません。

全体のバランス
増田屋:皮、餡共に主張がなく、ボーとしたどら焼きです。柔らかい皮をアッサリ餡を多めに挟んでいるというどら焼きです。添加物も多いので1か月の日持ち持ちです、その分本来の旨味を捨てています。
サトー屋菓子店:非常に柔らかい皮で餡を包んでいて、これまでのどら焼きとは一線を画すどら焼きと感じます。口に含むと皮が消えていき、餡がそれを追いかけるような感覚です。一度、試されると面白さが分かるかもです。亀十のどら焼きの皮より数倍柔らかいです。
十印:最もスタンダードで、丁寧に作られたどら焼きという印象です。しかし、餡の量、皮の素材や厚み、焼きなどにまだ工夫ができるところがあるのではと感じます。小豆を上手に仕上げているだけに、他にも手を加えると良いのにな?という素直な感想です。

と、勝手なコメントです。味覚や感じ方は其々です。悪しからず。

2018年2月28日水曜日

食べ歩き(125) 小判寿司 磐城棚倉

和知慎吾さんという方に会ってみたくて、郡山から小一時間かかる磐城棚倉に伺いました。和知さんは、仙台の小判寿司で修行されていましたが、ご実家を守るということで、この地に戻られたそうです。

郡山から水郡線という水戸と郡山を結ぶ電車で1時間と少しかかりました。福島県から茨城県へ向かうので平野の中を電車が進みます。郡山を出ると、だんだんと寂しい社外の景色になります。この地にて20年寿司を進化させ、いろいろな食材を選ばれて取り寄せて、美味しい寿司を提供しているのですから改めて感心しました。

和知さんが集めている食材は、半端ではないようです。日本中の最も美味しいとされる食材を集めているようです。どうやって集めるのか?産地には赴くのか?そして、それらの食材をどんな仕事で提供するのか?たくさんの疑問と、知りたいという欲求のままの訪問です。

午後六時過ぎに磐城棚倉に到着しました。駅から1キロメートルということなので、ゆっくり歩いて店に向かいます。店の前には、可愛い招き猫がお出迎えしてくれました。暖簾をくぐり店内へ。すでに、5名の先客1グループが乾杯を終えて料理に箸を向わせています。
予約していた・・・。と名乗り一番奥の席に通されました。

始めの料理は、富山産のホタルイカの酢味噌和えとメカジキでした。ホタルイカと酢味噌のバランスが抜群です。メカジキは何もつけずにいただいてみました。美味しいです。

続いて蒸物が奥から出されます。奥様が奥で蒸された茶わん蒸しです。素敵な小椀を開けると磯の香が漂います。青海苔の香りで、春のようです。これには、サイマキエビとヒイラギ貝に何と言っても相馬産青のりが散りばめられています。サイマキエビと貝の旨味と大変優しい香りが楽しめます。

続いて、目の前の大きくて厚手の陶器のスクエアの皿に宮城産アイナメの刺身が二切れ。これも、何も付けずにいただきました。アイナメを刺身で食べないところもありますが、北海道や東北では普通にいただきますし、これが美味しいのです。アイナメは刺身におろすのが面倒です。柔らかいので手際が重要です。

次いで、ブランドの藍島鰆の腹の部分を絞めてから12日ほど寝かしています。鰆が最も脂がのるのは冬で今の時期です。かつ、藍島産で腹の部分を寝かしているとなれば脂ノリノリです。すこしだけ炙りましたと聞いた途端に口に運んでいました。気付いたら写真を撮り忘れています。実は、本日いくつかの料理や鮨で写真がありません。写真の前に気づかずに食してしまっていたという状況がありました。この鰆は美味でした。(笑い)

刺身の後は、ポワロネギと下北産の鮟肝の酢の物でした。ポワロネギは地元で応援している農家さんが作られているそうです。ポワロネギはリーキとも言われます。ポワロネギの音はフランス語とイタリア語から来ているようです。地中海沿岸原産の野菜で下仁田ネギに似ていて太くて白いところがしっかりしているのが特徴のネギです。これを少し煮て、そこに鮟肝が乗りポン酢で和えられています。大変甘いネギでした。ポン酢も癖が無く美味しいポン酢で、全ていただきました。

続いて刺身の第二弾です。北海道真つぶ貝と宮城産金華鯖です。
貝大好き人間なので、この真つぶに、いい具合に包丁が入れられていて美味しい貝でした。貝やイカなどは包丁の入れ具合で味が変わる言う方もおられるようです。私には、包丁による味の違いは分かりませんが、この貝を、包丁に沿って噛んでいただくとマツブの味をじっくり感じられる刺身でした。
相馬のズワイガニのジュレとみそ添えが涼しい椀で出され、次いで75度で4時間煮炊きした宮城産鮑と肝でした。この煮鮑は柔らかく絶品です。残りの肝は酢飯と一緒に即席リゾットにしてくださいます。
焼き物は、たら白子焼きを羅臼昆布に乗せてでした。羅臼昆布の旨味を得た白子の焼き物は美味しいです。羅臼昆布の使い方が上手です。昆布も全部いただいてしまいました。噛めば噛むほど旨味が出てきます。

ここで目の前の大きな陶器のお皿が、少し小さくて薄く黑を基調としたスクエアなお皿に変わりました。小判寿司さんで使用している皿は、俊窯という長崎の窯の作品だそうです。お寿司用に用意された皿は、親方が本鮪の赤に合うお皿をということで俊窯さんへお願いしたもので、最近届いたそうです。大変良い皿です。使ってみたくなるお皿です。

さて、お皿も変わりこれからがお寿司となります。お寿司は順に次のようでした。
  • 絞めてから4日の北九州産の甘鯛
  • 北海道産アオヤギ
  • 絞めてから10日の仙崎産本鮪の赤味
  • 煮蛤:きれいにまとめられた煮蛤です。
  • 茹でエビ:身はプリプリで味はしっかりした海老です、何という海老か伺うのを忘れてました。
  • 江戸前(東京湾)小鰭:江戸前と最初に言われて、東京湾産?というところに行きつくのに、少し間がありました。そうです、江戸前のコハダです。〆てから3日のコハダは、仕事が活きた噛めば噛むほど旨味を感じるものでした。コハダは旨いです。
  • 仙崎産本鮪トロ:トロが融けます。融点低いです。
  • 虎河豚白子:なんと幸せなことでしょうか?! 美味しいの前にありがたいという食材ですね!?!
  • 昆布森馬糞海胆:この時期の馬糞ウニは昆布森以外に考えられませんでしたが、やはり昆布森産だそうです。馬糞の特徴の濃い味のウニでした。
  • 対馬産穴子(黄金穴子)を塩と煮きり:対馬さん穴子の最も脂がのるのがこの時期ですので、その通りの脂がのり口の中で溶けるようでした。
  • カスゴ (春子 鯛の子供 ):春子と言うだけあった、この時期にはとても良い食材です。鯛でなくカスゴはグッドでした。
  • 玉子焼きはすり身とだし巻きの二種
  • かんぴょう巻き:かんぴょうが旨すぎです。こんなかんぴょう巻は初めてでした。

どれも美味しい寿司です。どれか一つを選ぶことが難しいくらいに、全ての鮨がその食材の良いところを引き出すようでした。

何と言っても、鮨米が抜群に美味しいです。和知さんご本人も、最も基礎となる鮨米には最大限の気配りであたっていると言われていました。その通りの鮨米で、それぞれの鮨ネタを活かす鮨米を用いて鮨を握っているを感じます。

ササニシキを毎日使用分だけ自家精米して用いているそうです。米を炊く水は最近変えたそうで、仁井田本家の仕込み水が、今迄以上に米に合うそうです。膨張率が異なるそうです。加えて、蒸らしも重要で新聞紙と毛布で完全に蒸らすことで逆アルデンテの米を炊き上げるそうです。この逆アルデンテという表現は言い得て妙ですが、そのままを表しているように思いました。和知さんの鮨米への拘りには程遠いですが、私もそばに拘り続けているので、気持ちは分かるような気がします。

再訪問必須の和知さんでした。和知ワールドですね?!!お客様も多く、大変忙しい中色々と教えていただきました。また、ゆっくり伺ってみます。
最期に、駅まで奥様が送って下さりました。感謝感謝です。

本日の熱量 約1,373kcal

2018年1月27日土曜日

食べ歩き(116) 伊達屋 塩雲吞麵 福島市

ラーメンはあまりいただかないのですが、この伊達屋というお店は、東北の福島市のそれも市内から外れたところにありながら、大変評価が高いお店なので興味がありました。福島市内にはよく行くのでが、なかなか伺う機会が得られずにいました。ネットで確認すると、開店後はお客が並んでいてスープがなくなると閉店ということなので、時間の調整が難しく行けずじまいでした。

やっと時間ができたので初めての訪問です。開店前に着くとまだ誰も並んでいません。雪が降り、積雪の道で、かつ朝から冷えて寒いのが幸いしたのか、お客さんの出足が鈍いようです。店のドアの前に名前を記すノートがあり、その一番上に名前を書いていると、2番目の方が来られ、3番目の方もと、ドンドンお客さんが集まってきます。2番目の方は初めて車で来たのですが、どこに止めましょう?と雪の駐車場で右往左往しておられました。


開店時間になり、最初に名前を呼ばれ店内に入ると、元気な声で迎えてくださいます。席に着き、私がオーダーを伝えると、フロアー担当の奥様(たぶんそうだとおもいます)が大きな声でオーダーを調理担当の旦那さんへ伝えます。すると、旦那さんが厨房から、「ありがとうございます、●●ですね了解しました。」とかえします。そして、私のオーダーが終了すると、二番目に待たれていた方を外に呼びに行かれます。2番目の方が店内に入り、オーダーが決まり、奥様と旦那様のやり取りが終わると次のお客さんを外に呼びにいかれます。一人ずつ呼んで注文を丁寧に聞いてから、次のお客さんに同様に対応するという店の方針が伺えるものでした。どのお客様にも同じように接する姿勢です。すごく気持ちの良いお客の出迎えと、注文をツールとした奥様と旦那様とのやり取りが素敵なお店です。

1番であった私は、厨房の中が伺える席にどうぞと通されました。その席は厨房で働く大将の目の前なので、大将の動き、スープの寸胴の中などがつぶさにみてとれるので興味深く観察していました。
大将が塩を目分量ですくいドンブリに入れる姿はスキがありません、少しだけ腰を落とし前かがみになり、目の少し下に塩を持ち上げ、一定のリズムで同じ動作で一定量の塩をすくい2回にわけて丼にいれます。この姿勢や塩をすくうタイミングなどが毎回一緒なのです。寿司職人が寿司を握る姿と一緒でした。職人技ですね。
その動きは、静かで緻密で無駄がないのがよくわかります。派手なパフォーマンスではなく、静かできれいな所作です。これを見られただけでも、1番に来た甲斐がありました。

注文したのは、塩のワンタン麵にチャーシュートッピングです。一番の人気商品は、塩雲吞麵と書いてあり、次が塩チャーシュー麵なので両方入れていただきました。
1回に作るのは3人前のようです。最初に作られたのが、私から3番目の方まででした。その後も、3人から4人前を一度に調理していました。

塩雲吞麵チャーシュートッピングが出されました。
スープは透き通っていて綺麗なスープです。味は、大変あっさり味ですが、その後にコクが残ります。何でスープをとったのかが全く分からないような仕上がりになっています。そのために、主張が強くないのですが美味しいのです。和風のだしでいうと、鰹だしでもなく、魚の乾物からとっただしでもなく、昆布だけのだし、椎茸だけのだしでもなく、これらが絶妙にバランスされ、かつ、一番だしのように旨みはあるが個々の素材は主張していないのです。
旨味とコクはありますが、自然でいやみが全くないスープだと思いました。あまりラーメンを食さないのですが、このようなラーメンのスープは初めてでした。

次の感動は、チャーシューです。美味しいです。柔らかいです。消えます。しつこさは全くありません。何枚でもいけそうです。相当な時間をかけ、しっかりと管理しないとできないチャーシューです。何度か、溶けるよなチャーシューに出会いましたが、これはその中でも絶品ではないかと思いました。次回来られる時があれば、チャーシューをダブルでいただきたいです。このチャーシューの作り方を教えていただけたら幸せです。

もう一方のエビワンタンは、プルットとツルットであらわせます。美味しいワンタンです。これも手作りワンタンで、ワンタンの皮もしっかりしていています。ワンタンとスープでも1品として商品化しても良いのではないかと思いました。

麵は細麺です。私自身は細麺派なので、この麵の細さが好きです。よって、伊達屋さんの自家製麵は細麺で私好みですので、よりおいしく感じました。私がこのラーメンを食し始める少し前に、あるお客さんが「麵は硬めでお願いします。」というのを聞きました。そうです、博多みたいに麵の硬さを指定できたようです。

最後のスープまでいただいて、大満足でお会計をしようとレジのところに行くと、女将さんが対応してくださりました。すると、その後ろに旦那さんが来られて、「ありがとうございました。お待たせしてすみませんでした。また、是非おこしください。」と挨拶されます。私は、「大変美味しいくいただきました。ありがとうございました。」と返して店をでました。最初に入った時から、最後に出るまで、お客さんの一人一人に目を配られている姿勢が素晴らしかったです。本来のおもてなしなのではないかなと感じながら帰路につきました。

大将に言われたからではありませんが、本当にもう一度伺いたいと感じました。お二人のたいへんやさしいきもちが、お客さんへの対応や、ラーメンのスープや、チャーシューや、ワンタンや、麵ににじみ出てくるような感覚を得ました。ラーメンだけではなく、このお店で得られる満足感は、やさしいおもてなしなのだとおもいました。凍えるような寒さの中で待っていたのを忘れさせてくれる時間と空間と雰囲気とラーメンでした。

もう一度伺って、塩雲吞麵を硬麵でチャーシュウダブルトッピングで食べみたいです。ラーメン店では滅多にないことですが、伊達屋さんが再訪してみたいラーメン店の2軒目となりました。

2018年1月26日金曜日

食べ歩き(115) 照井 山女 円盤餃子 福島市

福島市の餃子が注目され出したのは最近です。しかし、歴史は古く、以前から餃子店が多い地域だったようです。

宇都宮の餃子が有名な割に知られていない。また、ホワイト餃子が有名な割に知られていない。福岡の鉄なべ餃子が知らている割に・・・。。。という、福島市の円盤餃子です。
何度か福島を訪れていますが、円盤餃子を食べたことがありませんでした。美味しいのかどうかも分からず、「円盤って?何?」というあまり興味が無かったのが正直なところでした。

円盤餃子について調べると、下記のように結構歴史は古いのがわかります。前から有った割にはマーケティングやPRされずに、最近の町おこしにも少し遅れ気味で参加しているようです。しかし、福島の皆さんの努力により最近少しずつ知られるようになり、私自身も知ったという経緯なのだと思いました。

<福島民友より引用>

  • 1953(昭和28)年、満州(中国東北部)から引き揚げた一人の女性から始まる。福島市の老舗餃子専門店「元祖円盤餃子 満腹」の創業者、故菅野かつゑさん。
  • 満州では水餃子が主流だったが、使用人たちは残った水餃子を中華鍋にびっしりと並べて焼き、皿にひっくり返して出してきた。焦げ目のついた餃子がとてもきれいだった。かつゑさんは帰国後、フライパンでこれを再現し、近所に振る舞っていたという。
  • 福島市の餃子専門店では早くから円盤餃子が一般的で、餃子を注文すると円盤餃子が出てきたことから、市民があえて「円盤餃子」と呼ぶようになったのは15年ほど前からという。餃子1個は平均約20グラム、1皿20~30個と数が多いため、たくさん食べられるよう肉を少なめ、野菜を多めにした、あっさり味のものが主流。
初日の昼に福島駅にある餃子照井 福島駅東口店に伺いました。
元々、福島の餃子は故菅野さんが導入後この地で広まり、その後、サラリーマンのお酒のつまみとして発展してきた関係上、昼に店を開いているところが少ないのです。どの店も、夕方開店でお酒のつまみという位置づけです。餃子照井 福島駅東口店は、飯坂温泉の餃子照井の支店で、観光客、学生や会社員を対象にランチとしてやっている数少ない円盤餃子のお店です。食べログランキングでは、飯坂の本店がトップで、こちらが3位だったと思います。

初めての円盤餃子は、皮がプックリとふくれあがって油で揚げたようなきつね色に3分の2ほどが焼けていて、その裏は焦げ無のない白色でふくれています。皮は薄いのですが、しっかりした皮です。中の具は、野菜中心で肉は本当に少ししか感じないので、野菜餃子のようです。あっさりしているので大変食べやすいです。大きさも小さいので、一口で食べられるから中の肉汁ごと満喫できます。

最初は、何か物足りない餃子だなと感じて食べていました。11個食べましたが、あっという間です。通常円盤餃子として頼むと22個の餃子が出されます。半分で頼むと11個です。通常の量の22個食べて丁度良いのかと思います。すこし物足りなさを感じたのですが、あいにくこの日は、夕食を約束していたので名残惜しかったが追加をしませんでした。

皮が薄いのですがしっかりしていて、具は野菜中心で、半分をホワイト餃子のように揚げながら焼くいてカリッとプックリさせ、一口で肉と野菜のジュースごと食べさせる円盤餃子は、美味しい餃子でした。1皿(22個)くらい食べて、餃子を食べたという感覚になるのかもしれません。

翌日は円盤餃子の時間帯(夕方)に、山女さんへ伺いました。時間丁度に伺いましたが、店内は電気が付いているが暖簾は出ていないという状態でしたので、まだ開店してないのだろうと思って待っていました。すると、常連のお客さんが来られて、店内を覗いて入っていきます。そうです、暖簾を出さずにやっている店だったのです。これまでにも暖簾を出さないお店が有ったのを思い出しました。着いたら開けてみるです。
店内には、先ほど先に入られた方の他に、2組のお客さんが来られていました。開店時間前に座られていたかたもあったようです。

円盤餃子半皿と、水餃子をお願いしました。1人前1皿が丁度良いという感覚を昨日得たので、円盤餃子1皿にしようとも考えたのですが、焼きとは異なる食感で試そうと思い半分を水餃子にしました。
山女さんの餃子は、昨日の照井さん同様に野菜中心の食べやすい餃子です、皮は山女さんの方が少しだけ厚みがあります。また、餃子の具の味は少しだけ濃いめなので、「食べた」という感覚はこちらの方がすこしだけ強く感じます。しかし、一般の餃子のような「餃子を食べた・・感」は、ありません。ということで、焼餃子と水餃子をペロッといただきました。

水餃子をいただいて感じたのは、手作りの皮の美味しさです。焼の時には感じなかったのですが、皮の美味しさを感じられるので、こちらもお勧めです。水餃子をいただくと、水餃子の皮が前面に出て、餃子の味を皮の味が邪魔をする事があります。しかし、皮が薄いので水餃子の皮が前に出過ぎることがありません。餃子の種の味と皮の味とのバランスが大変良い美味しい水餃子です。焼餃子vs水餃子は、「焼のカリッとプックリの食感」vs「皮のうまさ」の戦いですね。

最初は、円盤餃子は物足りないという第一印象でした。よって、やはり餃子は宇都宮かなと思いました。宇都宮餃子のような、万人が餃子に描く強い香りと味は無いのです。しかし、手作りの美味しい皮と、野菜の旨味を前面に出して、小さく仕上げるので一口で食べることで汁も含めて食し、その食感も追及している福島の円盤餃子は、これまでの餃子とは少し異なる餃子で大変おいしいと認識しました。餃子のそれぞれのバランスが、大変優しいところで保たれているようなイメージの餃子でした。
忘れていけないのは、1皿20個以上食べて丁度良いのです。ご飯はいりません。