2018年3月23日金曜日

食べ歩き(128) 五十嵐 フレンチ 札幌

札幌で、オープンキッチンでフレンチを供する五十嵐さんへ伺いました。
福島県棚倉で小判寿司を営む和知さんから紹介いただいたお店です。札幌在住の私が、何故か福島の方からの紹介でというところが不思議です。

小判寿司の和知さん五十嵐の五十嵐さん、郡山の粋・丸新の熊倉さん会津のピッツェリア フェリーチェの矢沢さんは、大変仲が良いようです。今回、五十嵐さんとお話していてこのような結論に至りました。矢沢さんのベースである会津で、毎年コラボレーションしてイベントをやられているそうです。皆さん、それぞれ頑張ってる方々です。より美味しいものを提供しようと、日々努力されている方々ですので、馬が合うのでしょうね。

和知さん曰く、「五十嵐ワールドを堪能してきてください。」とご紹介いただいただけあり、クオリティーの高いお店でした。フレンチですが、その枠に足らわれずに和のテーストを加えています。お酢の使いが良く、キウイの酢漬け、コハダのテリーヌは寿司のコハダのように良い仕事をされています。

フレンチの領域では、超オーソドックスですが、それゆえに難しい料理である、パテ アン クルートをその都度研究されて提供されているようです。本日頂戴したのは、羊とクルミにクミンをくわえたものでした。大変良い出来で、柔らかい羊肉をパイがくるんだパテ アン クルートでした。これが、訪問の度にアップデートされて、よりおいしいパテ アン クルートに成長するのを楽しむだけでも、五十嵐さんへ伺う価値がありそうだと感じました。

パテ アン クルートといえば、毎年フランスで世界大会が開催されているほどに愛されている、フランスの単品料理です。昨年末に開催された、世界大会ではフランスで活躍している日本人シェフが賞をとられています。

2017年12月4日にフランスで開催されたのが、「第9回パテ・クルート世界選手権決勝」でした。本大会へのエントリーは世界各国から約100名。当日の決勝に進んだのは12名です。その中で、日本国籍の選手は3名が決勝に進んでいます。これだけで快挙だそうです。加えて、決勝に進んだ日本人の3名は、パリ「ランブロワジー」の吉冨力良氏が1位、パリ「ル・ブドワール」の坂口義朗氏が2位、アジア代表の「セルリアンタワー東急ホテル(東京)」塚本治氏は「騎士団賞」という結果となったそうです。3名ともに賞を獲得されています。この世界でも、日本人が活躍されているようです。

その他の料理を含めて本日のメニューは次のようでした。

牡蠣とキャビアとキウイの酢付け
→キウイの酢漬けは真空で漬けるので早くつかるそうです。

青森さくらますになすを焼き詰めたソース
→なすの焼き詰めたソースは真っ黒くなるまで焼き詰めていて優しいソースでした。

水ダコの干しもの
→回りが乾燥し硬い食感で中は生ですので、食感と塩味が絶妙であっさり美味しい料理です。3日間も扇風機で周りを乾燥させるそうです。

小鰭のテリーヌ
→前述のように、〆具合が絶妙で美味しいコハダをテリーヌ上に固めているので、食べ応え抜群のコハダ寿司のネタの塊です。コハダの寿司が好きな私には嬉しい一品でした。

羊のパテアンクルート 胡桃入り

トラフグ白子と毛がにの茶碗蒸し
→使われている材料と調理そのもので、想像通りの一品です。

ホワイトアスパラローストとトマトジュレに羅臼産ウニのせ
→太いホワイトアスパラをローストして、目の前で調理していたトマトジュレのようなソースにウニを載せていただきます。一緒に口に入れて口内調理です。面白い組み合わせでした。

自家製サフラン麺を自家製からすみで
→自家製サフラン麵に自家製からすみをかけていただきます。からすみが「おとなしい」感じでしたので、もう少し主張が強いともっと楽しめるかなと感じました。

菊芋とエビにトリフ添え
→菊芋とトリフは相性が良いので、フレンチでは定番だそうです。この菊芋は美味しかったです。私には、この定番は初めてでした。以前に食したこともあるのかもしれませんが、印象に残っていないというのが正直なところです。しかし、本日いただいた菊芋は美味しい芋で、このような食感と味の芋は食したことが無いと思いました。この料理は新鮮でした。定番だそうなので、またどこかで試せるかもしれません。覚えておきます。

ホタテのローストにカブソースとフロマージュブラン
→カブのソースとフロマージュブランを敷いた上に、塩だけでローストしたホタテの貝柱が乗った料理です。ホタテのいい塩梅とカブソースとフロマージュブランの組み合わせが良い料理でした。カブのソースは自然で美味しいです。

サーロインステーキと白老の原木椎茸を白老の原木椎茸を数時間煮詰めたソースで
→この原木椎茸そのものをローストしたものと、原木椎茸を煮詰めたソースは強烈に美味しいものでした。サーロインの陰が薄いほどに強烈です。その晩寝るまで、その香りと旨みが離れないほどでした。こんな椎茸があるのですね。五十嵐さん曰く、「今日の椎茸は少し小さいです。もう一回り大きなのが入ります。」もう一回り大きなのを今度はいただいてみたいです。

ジャスミンのジェラート
→たぶんジャスミンだと思います。椎茸が離れないのであまり覚えていません。そう感じただけなのですが、実際は違うかもしれません。

これらの料理のほかに、滋賀県の美味しいお店のお話や、漆塗りの話、器の話など色々と教えていただきました、大変楽しい時間を過ごすことができました。また、お伺いして色々とお話しできることが待ち遠しくなる五十嵐シェフでした。

0 件のコメント:

コメントを投稿