2018年3月29日木曜日

食べ歩き(131) 秋田てんぷらみかわ 秋田市 天ぷら

秋田てんぷらみかわに伺いました。数週間前に門前仲町のみかわ是山居の五月女さんにお会いし、秋田にも伺いますというお話をしていました。たくさんのお弟子さんの中で、「みかわ」の暖簾を分けたのは、秋田てんぷらみかわの北嶋大地さんだけです。
先日伺った五月女さんの天ぷらを、まだ覚えている間に秋田に伺えたので、両店の同じ部分と違う部分を楽しめると思っていました。

店に入ると、一人先客が居られました。夕方は早めの時間から店を開けられているようです。店は開放感があります。シンプルでL字型のカウンター9席と、小上がり席が反対側に8席あるそうです。一番奥の席に通されました。是山居は入って一番奥が一番良い席ですが、秋田のみかわは、両端が同様な席づくりをしていますので、両端共に親方の動きが見える楽し席になります。今日も、炭酸水で開始です。

天ぷらは食べる人のスピードと揚げてのスピードが合わないと手もちぶたさを感じます。何故なら、天ぷらは、揚げたてを食すの一番美味しいのです。揚げる方は最も良い状態で天ぷらを油から出します。油から出た天ぷらの具材は、その熱により中でまだ蒸され続けています。時間を置いてしまうと、過度な蒸しになるので意図したものではなくなります。天ぷらを眺める時間が無いために、すぐに食べ終わります。すると、何となく間が空くのです。NHKのプロフェッショナルで特集された、みかわ是山居の五月女さんと、数寄屋橋次郎の次郎さんの相互の店でのお互いの店の食仕方を映していました。次郎さんは、みかわで五月女さんの天ぷらをいただく際には、五月女さんの動きを見て、箸を持って天ぷらが揚がるのを待ちます。置かれた瞬間に火傷しないように口に運んでいました。

親方の流れに客が合わせることもあります。今日は、小上がりには大勢お客さんがありますが、カウンターはこの時間は2人でしたので、こちらのペースに親方が合わせて下さりました。この後に述べる内容を1時間45分で平らげていますので、相当早いと思われます。

<先付>
シドケのおひたし
秋田の山菜のお浸しで、シンプルで美味しいです。

ヒラメ刺身
これは良い鮃でした。脂の乗りも良く美味しい鮃です。秋田産であったかどうかを失念しました。

ここで親方から、「天ぷらを始めます。」という声がかかり、ことらも臨戦態勢です。
最初は、車エビからかなと思っていたのですが、山菜から始まりました。
<てんぷら>
1山菜

2タラの芽
大好きな山菜であるタラの芽の天ぷらです。口に入れると、タラの芽独特の香りが立ちあがる、美味しい天ぷらです。油と苦みのコラボは美味しさ倍増の組み合わせです。

3車エビ

4しっかり揚げた車エビ
前医の海老とのコントラストが良く、両方楽しめます。
同じ素材を揚げ時間である、具材を蒸しながら脱水させる作業時間で、こんなに違うということが理解できて大変面白いです。

5車エビの頭

6江戸前のキス

7ウニ
大変おいしい揚げ具合でした。

8墨烏賊
イカは難しいです。ほんの少し火が入りすぎると真ん中まで揚がってしまいます。少しレアな部分を残すとそのバランスが最高です。これは少しだけ揚げが強かったのではないかと感じます。

9白魚
対馬産の白魚です。この時期の最上級の白魚です。少しだけ揚げが強かったのではないかなと感じました。数秒でしょうか?

10鮑 (肝醤油で)

おつまみ  墨烏賊山葵醤油

11鹿児島の空豆
鹿児島産の空豆です。空豆が最も栽培されているのが鹿児島です。鹿児島は春ですね。空豆が鹿児島の店に並ぶと、夏が近いイメージです。計り売りされていたり、煮たものをスーパーで売っていたりと、鹿児島は空豆が大好きです。私も大好きな食材の一つです。先日知ったのですが、この豆の外側の厚手の皮も食べられるのだそうです。まだ、食べたことが無いので、今年はやってみようと思います。

12秋田産アスパラガス
アスパラガスの天ぷらも美味しかったです。上と下の部分の味が異なるのが面白いです。両方ともによく揚がっていて美味しかったです。

13鹿児島の筍
この筍も鹿児島産のハシリ物だそうです。土を掘って採った筍は、シャキリ感もありバランスが良い天ぷらです。

14秋田産行者ニンニク

15江戸前メゴチ
少し小さめの江戸前メゴチですが、揚げは良かったです。

16ホタテ

17ウド

18対馬産穴子
みかわの定番、穴子は美味しく揚がっていました。塩と天つゆでいただきました。二度楽しめる穴子をありがとうございました。

<食事>
エビのかき揚げ天丼

天茶漬け
もう少し入るので、追加オーダーです。
「親方が、同じかき揚げにしますか?」「それか、別で?」と問われたので、「できれば、別のものでかき揚げにしていただければ。」とお願いしました。
野菜&山菜かき揚げの天ぷらお茶漬けは、美味です。だしもよくて、天茶はお勧めです。もし、一方しか入らない時には、今後は天茶にします。
写真が無い!!忘れました。

<甘味>
スダチのシャーベット

以上、ノンストップ天ぷらで、大満足の秋田みかわでした。

北嶋さんは、つい最近まで悩んでいたそうです。それは、江戸前が心情の「みかわ」です。五月女さんも江戸前にこだわられています。その、「みかわ」の暖簾を掲げる「秋田 みかわ」ですので、やはり江戸前を目指すべきという考え。これに対して、秋田に戻り地元にも良い食材がたくさんあります。実は、秋田県の食材の豊富なのには驚きます。河豚も採れますし、鯛、黒鯛、キスなどは有名です。野菜も山菜も豊富です。この食材を活かして秋田前をやりたいという考え。江戸前を捨てるわけにはいかないが、地元の食材も捨てがたいと悩みに悩み、先日五月女さんに相談されたそうです。江戸前の哲学で秋田前を模索しなさいと言うような内容の回答であったそうです。これは、門前仲町とは異なるみかわに化ける可能性があります。北嶋親方の「江戸・秋田前」の成長が楽しみです。

先週から今週は、ツアーで美味しいものをいただいています。先週の札幌フレンチの五十嵐から始まり、秋田の日本料理たかむらに始まり、今日の能代の十八番のラーメンの代わりに柳麺多むらのラーメンが参入し、その後に秋田てんぷらみかわ、明日は鶴岡イタリアンのアルケッチャーノに伺い、その翌日には新富町の中華FURUTAで〆です。各領域の美味しさの比較検討を目的にして、各領域のTOPクラスの店でつなげることができる範囲で組んでみました。最後に考察できると良いです。

メモ
価格:19,440円
熱量:1,777kcal

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