2018年4月19日木曜日

食べ歩き(137) KUROMORI 中華 仙台市

仙台のKUROMORIさんへ再訪問です。
昨年末に伺って以来、久しぶりになりました。
内装を変えられたとそうです。また、スタッフも変わられたそうです。
秋田の高村さんとのコラボのことは高村さんから伺っています。高村さん曰く、「黒森さんの成長が加速度的に早まるのではないか?これからが楽しみです。」4ヵ月が経ち、どんな料理になっているのか?楽しみにして伺いました。

来月も予約していて、来月の料理は今日の訪問時に相談しましょうということです。黒森さんに何かアイデアがあるのかもしれません?
仙台空港駅近郊で仕事を終えて、評定河原の和菓子やさんを経由して、一時間ほどかけてゆっくり歩いて行きました。

門を開けたのが予約の10分前でした。今回は、遅刻せずに間に合いました。カウンターが一新されオーク調の色合いに。席数は、7or8です。店内には黒森シェフとソムリエの小岩さんが居られます。

テーブルに用意されたメニューを開くと、前回とは全く異なる内容のの記載です。Oh!!すでに内容が大きく変わっています。これは、楽しみです。

最初は、石巻産渡り蟹の老酒漬けです。渡り蟹の香りと味わいが強烈に出迎えてくれました。渡り蟹は手で掴み殻の上からかぶりついて絞り出しました。いきなりお行儀悪いと叱られそうです。濃厚な渡り蟹のスープで口の中が満たされます。

続いて、中華でも、八寸???です。
角田野田鴨のブラッドオレンジ冷菜、これは、鴨独特の臭いを除いた処理をしているのではないかと思います。鴨ですが、繊細は味の鴨です。
築館産漢方牛タンの冷菜は、少しだけ牛の脂を感じる一品でした。
つぶ貝の香り煮は、醤油で良く煮込まれていて柔らかいつぶ貝に仕上がっています。
南三陸産活鮑の冷菜は大変柔らかく蒸された鮑で、下に敷かれた青菜に胡麻油がまぶされているので、ゴマの香りがほんのりしました。胡麻の香りと一緒にいただきました。

石巻産鰹と新玉葱の冷菜です。生鰹を中華醤油とピーナッツオイルで調整しています。生の鰹の癖が消え、ピーナッツオイルでコーティングされた鰹は美味しかったです。オリーブオイルとの鰹とは異なり、ピーナッツオイルも美味しいです。

石巻産真鯛の昆布〆の椒麻ソース。真鯛は昆布で浅めに〆て、ほのかに昆布のグルタミン酸のうま味の香りがします。その昆布〆に椒麻ソースが合います。昆布のグルタミン酸と椒麻ソースのうま味が相乗効果で増すからですね。

気仙沼産ふかひれと石巻産雲丹の餡かけの中に小龍包が居ます。シェフ曰く、「最初は、小龍包を崩さずに餡だけを楽しんでから、小龍包を崩して混ぜて食べてみて下さい。」という指示に忠実に従いました。ウニのスープ餡ですので旨いです。それに小龍包の中の肉汁が混ざり、喧嘩しないのかなと思いましたが杞憂でした。海のウニと肉汁が混ざると、これまた美味しさ倍増です。この方法は色々と応用できそうな組み合わせとアイデアです。

角田齊藤豚の炭焼き叉焼は、前回もいただきましたが、肉の甘味が抜群ですし、果物の香りもします。本当においしい叉焼です。

ここで、シェフからメニューに無い品ですと出されたのは、バーベキューソースで焼いた骨付きスペアリブでした。焼き具合と骨の周りの脂身のうま味が凄い一品でした。滅多にやらないということですが、これも、一品にしてよい内容です。

色麻の白菜つぼみ菜の炒めは、野菜のうま味をほんの少しだけとろみ付けした上湯スープが野菜の香りと菜の優しい味を強調します。上湯と野菜が美味しいです。

築館産漢方牛ほほ肉の赤ワイン煮は感心するほど柔らかく煮込まれています。もちろん、どこも荷崩れしていないのです。ここまで柔らかい肉なので、フォークで押すと崩れます。でも、出された時のお皿の上の煮込み肉はしっかりとした形をしていました。
どう煮込むのですか?と尋ねると、「中華の煮込み方法は採っていない。洋の煮込みで最後まで煮込んで、最後の処理だけを中華で仕上げています。」とのことです。よって、ワインで煮込んで、最後に砂糖と醤油で味付けして終わりのようです。しかし、火を入れて、休ませて、また火を入れ休ませるの繰り返して洋の煮込みで仕上げた品のようです。これは、美味しいです。

ここで箸休めで、超アッサリ料理の「くらげとうるいとルッコラの和え物」でした。前のワイン煮込みの余韻をここでリセットしてくださいという意思を感じます。胡麻油で和えているのですが、大変アッサリした和え物です。

リセットされた舌に、ダブルメインのように「気仙沼産青鮫ふかひとスッポンの煮込み」です。フカヒレの上湯煮込みに、煮込まれた大きなスッポンが隠れています。フカヒレは金糸が上湯一面に散らばっています、その中に大きな、これも大変柔らかく仕上げられたスッポン肉が隠れています。
このスッポンの煮込み具合、前の料理のほほ肉のワイン煮込み共に、食材の状況に合せてギリギリのところまで煮込んでいます。決して崩れないように、かつ、食べごろの柔らかさに煮込むところは流石です。

デザートは杏仁豆腐のブラッドオレンジソースでした。この杏仁豆腐の仕込みは大きく変わったそうです。前は数日分を仕込まれていたようですが、今は、毎日その日の分だけのジャージー牛のミルクを大崎から送ってもらい、仕込んでいるそうです。やはり、それが美味しいそうです。

最後に、おまけの中国茶の蒸しパンもいただいちゃいました。

ソムリエの小岩さんが入られ、相互に提案しながら大きく変わろうとしているKUROMORIです。既に、変わりましたが、益々の変化が非常に楽しみです。中華食材の宝庫である震災後の宮城県で店を出された意義を芯に持たれたお店がどう変わっていくでしょうか?

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