2015年8月27日木曜日

山形県 酒田市 文化と食の旅

北前船で栄えた酒田に着きました。

本間家別邸から庭を眺める
酒田市と言えば、本間家です。豪商中の豪商で、上杉藩に深く関わる名家です。現在も、本間家の旧家や美術館があり、酒田市では中心的な役割をされています。今日は、本間美術館に伺いました。元々本間家の別邸が有ったところに併設された美術館で、「文」をテーマに企画展が開催されていました。戦国時代から江戸までの本間家所蔵の手紙や、本等が展示されています。そんな中、伊藤若冲の「葡萄に鶏図」の掛け軸が目を引きました。また、上杉謙信の軍配団扇にはビックリです。別邸も見学でき、部屋からの庭園がきれいです。

土門拳写真記念館
酒田訪問目的は二つありました。その一つは、土門拳写真記念館です。40年前の中学生のころに写真に興味を持ち、しばらく趣味で写真を撮りましたが、その後の長い間遠ざかっています。しかし、土門拳の記念館が酒田にできたことは知っていたので、一度は行ってみたいと常々思っていました。土門記念館は、土門拳が自身の作品すべてを酒田市に寄贈し、それを受けた酒田市が記念館を造り展示しているということを知りました。建物のデザインは素晴らしく、展示品もすごい物ばかりでした。この記念館にはイサムノグチを初め、勅使河原宏や草野新平、亀倉雄策等がそれぞれ寄贈されています。
訪問時は、戦後70年特別企画で昭和を回顧する展示が行われており、初期の作品を中心に、もがいている様が見て取れるような作品群でした。「肉眼でも見えないものが見える」というコピーにドッキリです。本当に、写真でしか表現できないものを改めて感じさせられます。写真の魅力のシャワーをいっぱい浴びました。見かけた来場者は、学生、若い方、若いカップル等が多いのに驚きました。
また、カメラを構えてみたいなという気持ちにさせられる、土門拳写真記念館でした。


もう一つの目的は、美味しい物ツアーです。酒田の夏と言えば、玉勘の鰻岩牡蠣です。
東北で鰻と言えば、酒田の玉勘登米の東海亭です。先日、東海亭には行ったばかりですので、比較検討のためにもできるだけ早く玉勘に行きたいと思っていたところで機会を得ました。玉勘は江戸風、東海亭は関西風で、鰻のかば焼きの造りが異なるので、どちらが良いのか確認したくてたまりませんでした。
玉勘の特うな重をオーダーし、待つこと30分くらいでした。1匹と1/4の鰻が乗った重箱が届きました。色、艶、焼き色とも申し分ありません。食感は、蒸しているのにしっかりとしていて、柔らかいけど弾力もある身が厚い鰻で、皮もしっかりしています。味は、甘みと辛みが程よく、飽きないたれの味です。これは、美味しいです。
鰻の質、焼き具合ともに玉勘の方が上です。また、お値段も安いです。芳ばしさに関しては、東海亭です。かば焼きのたれの味は、東海亭の方が少しだけ薄味で、玉勘の方が少しだけ濃い味ですが、どちらも甘みと辛みのバランスは同様で美味しいです。
特鰻重
肝焼き(奥) レバー焼(手前)
玉勘のもう一つのお勧めは、卵焼きです。これも丁寧に作られていて、2-3mmの薄焼きを焦がさずに重ねるように作られています。重ね枚数は8枚でした。味は、甘すぎない味で、だしは表に出ない程度のきかせ方です。絶妙です。お代わりをお願いしたのですが、2つ目は、厚さが薄く、縦横が長い物でした。時間が時間で、一人分を焼いてくれたためだと思います。こちらは、少しだけ中に焦げ目がある卵焼きですが、味と柔らかさは一緒でした。
卵焼きは8層
もう一つのグルメである、岩牡蠣を目指して、港の方へ歩いていきました。港のそばにお店が二店舗あり、一店はお休みだったので、必然的にもう一方のお店に入ります。
岩牡蠣が沢山積んであります。岩牡蠣の「大」が1個500円と書いており、少し高いなと思いながらも、折角ここまで来たので2個その場で剥いてもらいました。
牡蠣がデカイです。鳥海山の水が海にそそぎ、その水で育つ岩牡蠣で、山形県では酒田地区、秋田県では象潟地区での名物です。本場での、本物の岩牡蠣は初めてなので(他の都市で岩牡蠣をいただいたことはありますが、この地域のものかは分からないので)、期待をもって口に運びました。自然の塩味の後に、クリーミーは牡蠣の味が広がります。これは、美味です。他の牡蠣との違いは、クリーミーさの加減が異なるということでしょうか。この牡蠣を食べると、普通の牡蠣は何だったのだろうという気持ちになります。2個頂き、席を立とうと思いましたが、もう一度味わいたくなり、これもお代わりです。4個頂きました。「少し高いけど、その価値がある。」と、散財の言い訳を呟き、店を出ました。
玉勘の鰻と卵焼き、岩牡蠣と、こんな贅沢はありません。大満足です。この地域に住んでいる方々がうらやましいです。冬の大変な生活を考えると、簡単に定住できるところではありませんが。
大きな岩牡蠣
山居倉庫(さんきょそうこ)を訪れる。
土門拳記念館からバスに乗り、山居倉庫前で降車し、様々なポスターで良く見かける山居倉庫に寄りました。現在も現役で活躍している倉庫です。ああ、この景色見覚えあるという景色です。吉永小百合さんのポスターや、古くはおしんの舞台になったそうです。(私はおしんを見たことが無いので分かりません。吉永小百合さんのポスターは見かけてます。)
山居倉庫(裏側)
山居倉庫(表側)
山居倉庫で、酒田のお菓子屋さんの代表作が沢山売られていました。山居倉庫の店員の方に伺い、酒田のお菓子屋さんの情報を得ました。ここから駅まで歩いて帰る途中で、いくつかのお菓子屋さんを回りながら、酒田銘菓をゲットしようと歩き出しました。
1件目は、最も古くからある和菓子屋さんで、「小松屋」です。呉竹最中(青海苔風味の最中)を購入。持ち帰る途中でつぶれてしまい、このような無残な姿になってしまいました。お菓子とお店に申し訳ない。この最中は、確かに青海苔の風味でした。
つぶれた 呉竹最中
2件目は菊地菓子舗です。最初は、ここは素通りと思っていたのですが、前を通ると「小豆水」と張り紙がありました。小豆の「水(みず)」とは、何者か?と興味が湧き、思わず店の中へ。店員さんが気さくな方で、それは「氷(こおり)」です。「あずきごおり」ですよ。どこにでもあると言えば、どこにでもある「あずきごおり」で1個90円です。と言って冷凍庫を見せてくれました。確かに、カップ入りの小豆味の氷でした。思わず、1個買ってしまいました。その他に、ずんだ餡の饅頭、田舎饅頭、塩味どら焼きを1個ずつ購入しました。
これが、あずき「みず」だった

最後にもう一店、菊地菓子舗にほど近い、栗原甘泉堂にも寄りました。おじさんが一人で店番をしており、注文後に作る「みたらしだんごの黄粉と黒糖あえ」が名物のようです。これは持ち帰りが大変そうなので、美味しそうな色合いのどら焼きときんつばを購入しました。
栗原さんちのどらやき&きんつば
この店のクリームパンが美味しいですという情報があった、最も行ってみたかった木村屋(銀座木村屋の暖簾分け店だそうです)は、定休日でした。木村屋のクリームパンがゲットできなかったのが、唯一の心残りでした。もし、次回がある場合は、クリームパンゲットを目指します。

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