札幌で、オープンキッチンでフレンチを供する五十嵐さんへ伺いました。
福島県棚倉で小判寿司を営む和知さんから紹介いただいたお店です。札幌在住の私が、何故か福島の方からの紹介でというところが不思議です。
小判寿司の和知さん、五十嵐の五十嵐さん、郡山の粋・丸新の熊倉さん、会津のピッツェリア フェリーチェの矢沢さんは、大変仲が良いようです。今回、五十嵐さんとお話していてこのような結論に至りました。矢沢さんのベースである会津で、毎年コラボレーションしてイベントをやられているそうです。皆さん、それぞれ頑張ってる方々です。より美味しいものを提供しようと、日々努力されている方々ですので、馬が合うのでしょうね。
和知さん曰く、「五十嵐ワールドを堪能してきてください。」とご紹介いただいただけあり、クオリティーの高いお店でした。フレンチですが、その枠に足らわれずに和のテーストを加えています。お酢の使いが良く、キウイの酢漬け、コハダのテリーヌは寿司のコハダのように良い仕事をされています。
フレンチの領域では、超オーソドックスですが、それゆえに難しい料理である、パテ アン クルートをその都度研究されて提供されているようです。本日頂戴したのは、羊とクルミにクミンをくわえたものでした。大変良い出来で、柔らかい羊肉をパイがくるんだパテ アン クルートでした。これが、訪問の度にアップデートされて、よりおいしいパテ アン クルートに成長するのを楽しむだけでも、五十嵐さんへ伺う価値がありそうだと感じました。
パテ アン クルートといえば、毎年フランスで世界大会が開催されているほどに愛されている、フランスの単品料理です。昨年末に開催された、世界大会ではフランスで活躍している日本人シェフが賞をとられています。
2017年12月4日にフランスで開催されたのが、「第9回パテ・クルート世界選手権決勝」でした。本大会へのエントリーは世界各国から約100名。当日の決勝に進んだのは12名です。その中で、日本国籍の選手は3名が決勝に進んでいます。これだけで快挙だそうです。加えて、決勝に進んだ日本人の3名は、パリ「ランブロワジー」の吉冨力良氏が1位、パリ「ル・ブドワール」の坂口義朗氏が2位、アジア代表の「セルリアンタワー東急ホテル(東京)」塚本治氏は「騎士団賞」という結果となったそうです。3名ともに賞を獲得されています。この世界でも、日本人が活躍されているようです。
その他の料理を含めて本日のメニューは次のようでした。
牡蠣とキャビアとキウイの酢付け
→キウイの酢漬けは真空で漬けるので早くつかるそうです。
青森さくらますになすを焼き詰めたソース
→なすの焼き詰めたソースは真っ黒くなるまで焼き詰めていて優しいソースでした。
水ダコの干しもの
→回りが乾燥し硬い食感で中は生ですので、食感と塩味が絶妙であっさり美味しい料理です。3日間も扇風機で周りを乾燥させるそうです。
小鰭のテリーヌ
→前述のように、〆具合が絶妙で美味しいコハダをテリーヌ上に固めているので、食べ応え抜群のコハダ寿司のネタの塊です。コハダの寿司が好きな私には嬉しい一品でした。
羊のパテアンクルート 胡桃入り
トラフグ白子と毛がにの茶碗蒸し
→使われている材料と調理そのもので、想像通りの一品です。
ホワイトアスパラローストとトマトジュレに羅臼産ウニのせ
→太いホワイトアスパラをローストして、目の前で調理していたトマトジュレのようなソースにウニを載せていただきます。一緒に口に入れて口内調理です。面白い組み合わせでした。
自家製サフラン麺を自家製からすみで
→自家製サフラン麵に自家製からすみをかけていただきます。からすみが「おとなしい」感じでしたので、もう少し主張が強いともっと楽しめるかなと感じました。
菊芋とエビにトリフ添え
→菊芋とトリフは相性が良いので、フレンチでは定番だそうです。この菊芋は美味しかったです。私には、この定番は初めてでした。以前に食したこともあるのかもしれませんが、印象に残っていないというのが正直なところです。しかし、本日いただいた菊芋は美味しい芋で、このような食感と味の芋は食したことが無いと思いました。この料理は新鮮でした。定番だそうなので、またどこかで試せるかもしれません。覚えておきます。
ホタテのローストにカブソースとフロマージュブラン
→カブのソースとフロマージュブランを敷いた上に、塩だけでローストしたホタテの貝柱が乗った料理です。ホタテのいい塩梅とカブソースとフロマージュブランの組み合わせが良い料理でした。カブのソースは自然で美味しいです。
サーロインステーキと白老の原木椎茸を白老の原木椎茸を数時間煮詰めたソースで
→この原木椎茸そのものをローストしたものと、原木椎茸を煮詰めたソースは強烈に美味しいものでした。サーロインの陰が薄いほどに強烈です。その晩寝るまで、その香りと旨みが離れないほどでした。こんな椎茸があるのですね。五十嵐さん曰く、「今日の椎茸は少し小さいです。もう一回り大きなのが入ります。」もう一回り大きなのを今度はいただいてみたいです。
ジャスミンのジェラート
→たぶんジャスミンだと思います。椎茸が離れないのであまり覚えていません。そう感じただけなのですが、実際は違うかもしれません。
これらの料理のほかに、滋賀県の美味しいお店のお話や、漆塗りの話、器の話など色々と教えていただきました、大変楽しい時間を過ごすことができました。また、お伺いして色々とお話しできることが待ち遠しくなる五十嵐シェフでした。
2018年3月23日金曜日
2018年3月18日日曜日
浅草 神輿 浅草寺本尊御示現会「浅草神社宮神輿本堂堂上げ・堂下げ」 お神輿
浅草の浅草寺のお祭り事である、浅草寺本尊御示現会「浅草神社宮神輿本堂堂上げ・堂下げ」に遭遇しました。
たまたま、浅草滞在をしており、浅草浅草寺裏の大学芋の千葉屋へ買い物に行った帰りがけに遭遇です。「浅草神社宮神輿本堂堂上げ・堂下げ」については、まったく知らないものですので、行列の前方で年配の方に声をおかけし、何のお祭りなのかを伺いました。それによると、浅草神社の本社神輿三体を浅草寺本堂外陣にお上げし、一夜奉安する行事だということです。三社祭は有名ですが、そのお神輿が別の機会にも奉納されていることを初めて知りました。
浅草寺本尊御示現会「浅草神社宮神輿本堂堂上げ・堂下げ」
出典:浅草神社(http://www.asakusajinja.jp/asakusajinja/jigene.html)
以下転載
この行列の回りには、外国の観光客の方も大勢集まって写真を撮っていました。私を含めて多くの方が、この時間にここにいた偶然を喜んでいます。浅草街を歩いてみると、半分以上が外国からの観光の方でしょうか。国外からの観光客は、以前に比べて増々多くなっていることを実感させられます。
浅草寺の本神輿は立派です。大きさも大きいですが重厚でした。
たまたま、浅草滞在をしており、浅草浅草寺裏の大学芋の千葉屋へ買い物に行った帰りがけに遭遇です。「浅草神社宮神輿本堂堂上げ・堂下げ」については、まったく知らないものですので、行列の前方で年配の方に声をおかけし、何のお祭りなのかを伺いました。それによると、浅草神社の本社神輿三体を浅草寺本堂外陣にお上げし、一夜奉安する行事だということです。三社祭は有名ですが、そのお神輿が別の機会にも奉納されていることを初めて知りました。
浅草寺本尊御示現会「浅草神社宮神輿本堂堂上げ・堂下げ」
出典:浅草神社(http://www.asakusajinja.jp/asakusajinja/jigene.html)
以下転載
- 草寺本尊示現会(3月18日)について
- 浅草寺 推古天皇36年(西暦628年)3月18日の早朝、檜前浜成・竹成の兄弟が江戸浦(隅田川下流の宮戸川)で漁をしていたところ、一躰の仏像を投網の中に発見し、土師真中知がこれを拝して聖観世音菩薩の尊像であることを知り、従者と共に槐(えんじゅ)の木の切り株に尊像を安置しました。「浅草寺本尊示現会」は、この「浅草寺縁起」に基づいた行事です。同縁起によれば、その後一夜にして「あかざの草堂」が築かれ、10人の子供の手により尊像は草堂に安置されており、これが浅草寺の創始であると伝えられており、従って「浅草寺本尊示現会」は浅草の町の誕生を祝う行事として行われていました。また江戸時代までは「三社祭」と一体の行事として神輿の渡御と併せて執り行われていましたが、明治維新以降は神仏分離令によって「三社祭」は5月に行われることになり、上記のような「浅草寺本尊示現会」の本来の意味が見失われがちになって参りました。私達浅草に根付く者と致しましても、この「浅草寺本尊示現会」が一層賑わうように図ることは長年の懸案となっており、平成12年「古式三社祭舟渡御」の一部として再現させることにより、広く内外に浅草の生誕の歴史を広め、ひいては浅草の町の更なる発展を目指すものとして実施されました。
この行列の回りには、外国の観光客の方も大勢集まって写真を撮っていました。私を含めて多くの方が、この時間にここにいた偶然を喜んでいます。浅草街を歩いてみると、半分以上が外国からの観光の方でしょうか。国外からの観光客は、以前に比べて増々多くなっていることを実感させられます。
浅草寺の本神輿は立派です。大きさも大きいですが重厚でした。
2018年3月17日土曜日
食べ歩き(127) みかわ是山居 門前仲町 伊藤若冲 & 天ぷら
子供のころから大好きな天ぷらの本質を求めて東京へ。この日は、たくさんの良いことが起きました。また、たくさんの学びを得ることになります。良い出会いがたくさんあることはなかなかありませんが、こんな日もあるのだなと振り返ると不思議な一日です。
この日は、やっと、早乙女哲哉さんの天ぷらをみかわ是山居に食べに行くことになりました。
江戸文化が生んだ食の一つである天ぷらですが、同時期に開花した江戸の料理である、寿し、うなぎ、そばと比べると、全国に美味しいお店がたくさん存在しているわけではありません。他の江戸料理に比べると天ぷら文化の普及は、全国展開が遅いので、美味しい天ぷらを提供して下さる店が地方に少ないのが現実です。全くないわけではなく、函館にレジェンドがおり、名古屋にも美味しい天ぷらを提供する店があります。しかし、東京には、たくさんの天ぷらの名店があります。
五月女さんのことは、ここでご紹介する必要は無いと思われます。今回、お会いすることができ、少しお話しできたことに感謝いたします。五月女さんが「筑波山麓のそばが旨いよ。」とおっしゃていたので、近いうちに訪問してみたいと思います。何しろ、五月女さんは、「いろいろな物への目利きが普通ではないのだ!」ということを、今回の訪問でたくさん感じましたので、五月女さんのお話なら、間違いなく美味しいのだと思います。
祇矢羅李二十代三十代「ぎゃらりーにじゅうだいさんじゅうだい」と読む。
このギャラリーは、五月女さんがコレクトした伊藤若冲の掛け軸を公開しています。その公開方法は、伊藤若冲のタッチまで肉眼で確認できる距離での展示です。こんな贅沢ですが、危険な展示はまず他にはないでしょう。五月女さんとは50年来の友人といわれる方が、ここのギャラリーを管理されていて、伊藤若冲のこと、五月女さんや五月女さんの所蔵する美術品のことなどお話を伺うことができました。五月女さんは、だいぶ以前の伊藤若冲が無名の頃から、この絵は凄いと集められていたそうです。伊藤若冲をこんなまじかで観察し、たくさんのお話をうかがえる。それも、タダで。御礼申し上げます。
1か月前のことです。みかわ是山居のホームページにこのギャラリーのことが掲載されています。これに気づき、わたしの訪問日とギャラリーの開館予定日をみると、当日は閉館の日でした。折角うかがうのですが、伊藤若冲には会えないなと思っていたのです。
しかし、あきらめが悪い私は、一週間前にお店に電話で連絡し、伺う日とギャラリーの開館日が合わないことを伝え、たまたま開くということが無いのかを確認したのですが、やはり当日は閉館ですとの回答でした。普通は、ここであきらめるのでしょうか?私自身もあきらめていました。
ところが、当日、用事が早く終わり門前仲町に予定より早く到着したのです。門仲は、20年前に住んでいた月島から橋を二つわたるところにあり、当時は毎週ここに遊びに来ていいました。路地の隅まで知っている街です。
そうだ、ぶらぶらしてみようと、街の中を歩きだしました。富岡八幡宮にお参りし、ギャラリーも閉館ですが、場所だけでも見てみましょうか?ということで、ブラブラの方向をギャラリーの方向である月島への道に向けました。この辺りにあるのではと道の左右を確認すると、ギャラリーとは思えない外観の建物に、「伊藤若冲」という文字があります。「ここか!」「あれ、人がいる。」「覗いてみる。」と、扉を開けると、「どうぞ。」と迎えて下さりました。中には、相当数の伊藤若冲です。
世の中は、諦めないと叶うことがたくさんあります。願っていると叶えられるものです。
いよいよ、みかわ是山居に到着。HPにある写真のままの外観の建物を入ると、気持ち良い声で迎えて下さりました。「まだ時間があるので、3階でお待ちください。」と、通されます。3階の待合室には、たくさんの美術品が展示されています。所蔵品の一部が展示されていて、今日は硯の展示でした。部屋中に硯が展示され、中国の有名は硯石、韓国の有名な硯石が無造作に展示されています。その中には、有名な作陶家の茶器も展示があります。これらの茶器は、ここで開催されるお茶会で使用されるそうです。「これらの茶器を普通に使うの?」という驚きでした。これらの茶器で渡された一般方は緊張するだろうなと想像してしまいました。
お待たせしましたという声が聞こえ、1階のお店に移動です。
入り口から奥の、五月女さんが天ぷらを揚げるのが良く見えるところに案内されました。ご挨拶をして、料理開始です。私は一人で伺ったのですが、お隣の方も一人でした。これも何かの縁です。大変良い出会いをすることができました。
相当の美食家の方で、みかわ是山居の常連でもあり、五月女さんのことも良くご存知です。色々とお話を伺うと、いろいろな有名なお店の常連のようです。気持ちの良い方で、かつ、礼儀正しいしっかりした若い方です。この方に、色々とご教授いただきました。たいへん楽しくて、うれしいディナーとなった一夜でした。また、お会いできることを楽しみにしています。
飲み物は炭酸水。料理は、先付から開始です。
大根おろしは、好きなだけいただけます。わたしは天ぷらの合間に大根おろしに天つゆを加えて、箸休めにいただきました。
さいまき海老
衣と油による蒸しと脱水の加減がすばらしです。蒸しながら衣が減水される事による、タネへの熱入れと、衣の脱水と並行するコゲ生成のバランスの芸術ですね。結果として、衣はカラッとし、海老の風味が出て、芯のみ半生で甘みを存分に感じられる揚げになっています。
さいまき海老の頭
これを口に運んだ際に感じたことがあります。「海老を揚げた油と、頭を揚げた油は違う。」「頭の方がごま油の香りがほんの少しだけ強い。」「なぜ。」
二つ目の頭が前にきました。もう一度確認。やはり、ことらの方が最初の海老よりごま油の香りが少しだけ強い。
隣の美食家の方に聞いてみましたが、「初めて聞きましたが?」とのこと。
意を決して、五月女さんに聞いてみると、「そんなことないよ」と言うような目と微笑みで返されました。しかし、少しなのですが違うのです。
この段階では分からなかったのですが、この後に、五月女さんを観察していると気付いたことがあります。五月女さんが使われている揚げ鍋はそんなに大きなものではないのです。そして、何かのネタを揚げ終わると鍋の脇に置いてある一斗缶を持ち上げて、その中の油を揚げ鍋に追加します。加える一斗缶は2種類あります。この油の量の微妙な加え方で、香りを調整しているのだと思いました。故意に香りを変えたのか、あるいは、変えてはいけないのが変わったのかはわかりません。私には、この違いによる海老と海老の頭の天ぷらの違いが美味しいなと感じました。
次回伺うことができれば、もう一度尋ねてみたいなと思います。
キス
江戸前の天ぷらの王道の一つです。キスの味が最大限に引き出されています。元々、味の薄い魚ですが天ぷらにすると大きく変身する魚です。キスは、油と衣との相性が良く、油の旨味と、キスが蒸されることで生まれる旨味とのバランスが勝負だと思います。油が強すぎると旨味が消えてしまいますが、これは抜群に美味しかったです。
墨イカ
厚く切られたスミイカのアルデンテでした。
お吸い物
うに大葉巻
ウニの天ぷらを出される店が増えていますが、だいぶ前から提供されているのがこの店だと何かで読みました。うにに油が加わり炭水化物の焦げが加わるのですから、まずいわけがないです。もっとまん丸の形(ボールのような厚いウニの塊で造れたら)のウニ天ぷらならどんな味になるのかな?と想像しながらいただきました。真ん中がヒヤリとしていて外はアツアツ。アイスの天ぷらのようなウニの天ぷら。だれか造らないかな??
たらの芽
この季節の食材で、私が最も好きな野菜です。美味しかったです。ありがとうございました。
しらうお
今年はありがたいことに、先日寿司で白魚をいただきました。今日は天ぷらです。
天ぷらでの白魚は、食感は柔らかくタンパク質が少し固化するので特有の香りが出ます。生とは違う美味しさを堪能しました。どちらも好きです。二人前あっても・・・よいかも。
めごち
江戸前天ぷらではよく使われるお魚です。小さめのめごちは、たいへん味が濃くてビックリです。ここまで強いインパクトのめごちの天ぷらは初めてでした。食材も良いですし、揚げ具合はそれを引き出しています。これも、二人前でも。
穴子
みかわ是山居の穴子の天ぷらは皆さん評価が高いと思います。
野菜は5種類用意されています。2品選んでくださいと言われ、最初から食べてみたかったアスパラとさつまいもをお願いました。
するとお隣の常連の友が、「追加でお願い。」と言われたので彼に伺うと、「追加できますよ。」とのことです。すかさず、「椎茸と茄子もお願いします。」
ししとうを除いた4種をお願いしました。
江戸時代の江戸の天ぷらは、東京湾で採れる魚貝を揚げるものをいったので、野菜を油で揚げるものは天ぷらではなく精進揚と呼んで別者扱いでした。今は、野菜のてんぷらの人気が高いので、多くの店で野菜の天ぷらを出します。
4種の野菜天ぷらはどれも美味しかったです。ごちそうさまでした。
最後は天丼か天茶から選択です。私は天丼をいただきました。濃いめの天丼用の汁が美味しかったです。これは、関東人にはあいますが、関西の人は難しいかもしれません。超関東風天丼で、しっかりとした汁を使って丼にしていますので。関西の方には天茶が良いでしょう。たぶん。
最期に花豆甘煮でした。素朴ですが豆が美味しい甘煮です。
ギャラリーから花豆甘煮まで、書ききれないほどに、いろいろとありました。
取り敢えず、楽しい日でした。お会いした皆さんありがとうございました。
MEMO
摂取熱量:1,426kcal
お代:約21,000円
この日は、やっと、早乙女哲哉さんの天ぷらをみかわ是山居に食べに行くことになりました。
江戸文化が生んだ食の一つである天ぷらですが、同時期に開花した江戸の料理である、寿し、うなぎ、そばと比べると、全国に美味しいお店がたくさん存在しているわけではありません。他の江戸料理に比べると天ぷら文化の普及は、全国展開が遅いので、美味しい天ぷらを提供して下さる店が地方に少ないのが現実です。全くないわけではなく、函館にレジェンドがおり、名古屋にも美味しい天ぷらを提供する店があります。しかし、東京には、たくさんの天ぷらの名店があります。
五月女さんのことは、ここでご紹介する必要は無いと思われます。今回、お会いすることができ、少しお話しできたことに感謝いたします。五月女さんが「筑波山麓のそばが旨いよ。」とおっしゃていたので、近いうちに訪問してみたいと思います。何しろ、五月女さんは、「いろいろな物への目利きが普通ではないのだ!」ということを、今回の訪問でたくさん感じましたので、五月女さんのお話なら、間違いなく美味しいのだと思います。
祇矢羅李二十代三十代「ぎゃらりーにじゅうだいさんじゅうだい」と読む。
このギャラリーは、五月女さんがコレクトした伊藤若冲の掛け軸を公開しています。その公開方法は、伊藤若冲のタッチまで肉眼で確認できる距離での展示です。こんな贅沢ですが、危険な展示はまず他にはないでしょう。五月女さんとは50年来の友人といわれる方が、ここのギャラリーを管理されていて、伊藤若冲のこと、五月女さんや五月女さんの所蔵する美術品のことなどお話を伺うことができました。五月女さんは、だいぶ以前の伊藤若冲が無名の頃から、この絵は凄いと集められていたそうです。伊藤若冲をこんなまじかで観察し、たくさんのお話をうかがえる。それも、タダで。御礼申し上げます。
1か月前のことです。みかわ是山居のホームページにこのギャラリーのことが掲載されています。これに気づき、わたしの訪問日とギャラリーの開館予定日をみると、当日は閉館の日でした。折角うかがうのですが、伊藤若冲には会えないなと思っていたのです。
しかし、あきらめが悪い私は、一週間前にお店に電話で連絡し、伺う日とギャラリーの開館日が合わないことを伝え、たまたま開くということが無いのかを確認したのですが、やはり当日は閉館ですとの回答でした。普通は、ここであきらめるのでしょうか?私自身もあきらめていました。
ところが、当日、用事が早く終わり門前仲町に予定より早く到着したのです。門仲は、20年前に住んでいた月島から橋を二つわたるところにあり、当時は毎週ここに遊びに来ていいました。路地の隅まで知っている街です。
そうだ、ぶらぶらしてみようと、街の中を歩きだしました。富岡八幡宮にお参りし、ギャラリーも閉館ですが、場所だけでも見てみましょうか?ということで、ブラブラの方向をギャラリーの方向である月島への道に向けました。この辺りにあるのではと道の左右を確認すると、ギャラリーとは思えない外観の建物に、「伊藤若冲」という文字があります。「ここか!」「あれ、人がいる。」「覗いてみる。」と、扉を開けると、「どうぞ。」と迎えて下さりました。中には、相当数の伊藤若冲です。
世の中は、諦めないと叶うことがたくさんあります。願っていると叶えられるものです。
いよいよ、みかわ是山居に到着。HPにある写真のままの外観の建物を入ると、気持ち良い声で迎えて下さりました。「まだ時間があるので、3階でお待ちください。」と、通されます。3階の待合室には、たくさんの美術品が展示されています。所蔵品の一部が展示されていて、今日は硯の展示でした。部屋中に硯が展示され、中国の有名は硯石、韓国の有名な硯石が無造作に展示されています。その中には、有名な作陶家の茶器も展示があります。これらの茶器は、ここで開催されるお茶会で使用されるそうです。「これらの茶器を普通に使うの?」という驚きでした。これらの茶器で渡された一般方は緊張するだろうなと想像してしまいました。
入り口から奥の、五月女さんが天ぷらを揚げるのが良く見えるところに案内されました。ご挨拶をして、料理開始です。私は一人で伺ったのですが、お隣の方も一人でした。これも何かの縁です。大変良い出会いをすることができました。
相当の美食家の方で、みかわ是山居の常連でもあり、五月女さんのことも良くご存知です。色々とお話を伺うと、いろいろな有名なお店の常連のようです。気持ちの良い方で、かつ、礼儀正しいしっかりした若い方です。この方に、色々とご教授いただきました。たいへん楽しくて、うれしいディナーとなった一夜でした。また、お会いできることを楽しみにしています。
飲み物は炭酸水。料理は、先付から開始です。
大根おろしは、好きなだけいただけます。わたしは天ぷらの合間に大根おろしに天つゆを加えて、箸休めにいただきました。
さいまき海老
衣と油による蒸しと脱水の加減がすばらしです。蒸しながら衣が減水される事による、タネへの熱入れと、衣の脱水と並行するコゲ生成のバランスの芸術ですね。結果として、衣はカラッとし、海老の風味が出て、芯のみ半生で甘みを存分に感じられる揚げになっています。
さいまき海老の頭
これを口に運んだ際に感じたことがあります。「海老を揚げた油と、頭を揚げた油は違う。」「頭の方がごま油の香りがほんの少しだけ強い。」「なぜ。」
二つ目の頭が前にきました。もう一度確認。やはり、ことらの方が最初の海老よりごま油の香りが少しだけ強い。
隣の美食家の方に聞いてみましたが、「初めて聞きましたが?」とのこと。
意を決して、五月女さんに聞いてみると、「そんなことないよ」と言うような目と微笑みで返されました。しかし、少しなのですが違うのです。
この段階では分からなかったのですが、この後に、五月女さんを観察していると気付いたことがあります。五月女さんが使われている揚げ鍋はそんなに大きなものではないのです。そして、何かのネタを揚げ終わると鍋の脇に置いてある一斗缶を持ち上げて、その中の油を揚げ鍋に追加します。加える一斗缶は2種類あります。この油の量の微妙な加え方で、香りを調整しているのだと思いました。故意に香りを変えたのか、あるいは、変えてはいけないのが変わったのかはわかりません。私には、この違いによる海老と海老の頭の天ぷらの違いが美味しいなと感じました。
次回伺うことができれば、もう一度尋ねてみたいなと思います。
キス
江戸前の天ぷらの王道の一つです。キスの味が最大限に引き出されています。元々、味の薄い魚ですが天ぷらにすると大きく変身する魚です。キスは、油と衣との相性が良く、油の旨味と、キスが蒸されることで生まれる旨味とのバランスが勝負だと思います。油が強すぎると旨味が消えてしまいますが、これは抜群に美味しかったです。
墨イカ
厚く切られたスミイカのアルデンテでした。
お吸い物
うに大葉巻
ウニの天ぷらを出される店が増えていますが、だいぶ前から提供されているのがこの店だと何かで読みました。うにに油が加わり炭水化物の焦げが加わるのですから、まずいわけがないです。もっとまん丸の形(ボールのような厚いウニの塊で造れたら)のウニ天ぷらならどんな味になるのかな?と想像しながらいただきました。真ん中がヒヤリとしていて外はアツアツ。アイスの天ぷらのようなウニの天ぷら。だれか造らないかな??
たらの芽
この季節の食材で、私が最も好きな野菜です。美味しかったです。ありがとうございました。
しらうお
今年はありがたいことに、先日寿司で白魚をいただきました。今日は天ぷらです。
天ぷらでの白魚は、食感は柔らかくタンパク質が少し固化するので特有の香りが出ます。生とは違う美味しさを堪能しました。どちらも好きです。二人前あっても・・・よいかも。
めごち
江戸前天ぷらではよく使われるお魚です。小さめのめごちは、たいへん味が濃くてビックリです。ここまで強いインパクトのめごちの天ぷらは初めてでした。食材も良いですし、揚げ具合はそれを引き出しています。これも、二人前でも。
穴子
みかわ是山居の穴子の天ぷらは皆さん評価が高いと思います。
野菜は5種類用意されています。2品選んでくださいと言われ、最初から食べてみたかったアスパラとさつまいもをお願いました。
するとお隣の常連の友が、「追加でお願い。」と言われたので彼に伺うと、「追加できますよ。」とのことです。すかさず、「椎茸と茄子もお願いします。」
ししとうを除いた4種をお願いしました。
江戸時代の江戸の天ぷらは、東京湾で採れる魚貝を揚げるものをいったので、野菜を油で揚げるものは天ぷらではなく精進揚と呼んで別者扱いでした。今は、野菜のてんぷらの人気が高いので、多くの店で野菜の天ぷらを出します。
4種の野菜天ぷらはどれも美味しかったです。ごちそうさまでした。
最後は天丼か天茶から選択です。私は天丼をいただきました。濃いめの天丼用の汁が美味しかったです。これは、関東人にはあいますが、関西の人は難しいかもしれません。超関東風天丼で、しっかりとした汁を使って丼にしていますので。関西の方には天茶が良いでしょう。たぶん。
最期に花豆甘煮でした。素朴ですが豆が美味しい甘煮です。
ギャラリーから花豆甘煮まで、書ききれないほどに、いろいろとありました。
取り敢えず、楽しい日でした。お会いした皆さんありがとうございました。
MEMO
摂取熱量:1,426kcal
お代:約21,000円
2018年3月1日木曜日
菓子/和菓子 どら焼き比較 福島県二本松と山形県米沢
福島県の二本松や山形県の米沢には、昔からの羊羹の店がいくつかあります。二本松では、玉嶋屋が歴史があります。多くのメディアで取り上げらてています。店内には、それぞれのテレビ撮影時の写真があります。
昔ながらの製法で、薪で火を熾して小豆を煮詰めて練り上げます。この製法のために、保存剤が無い時代でも長く食べることができました。また、出来上がった羊羹は笹の葉などに包んで保存してました。すると、少しずつ羊羹の砂糖部分が表明に浮き出て濡れ砂糖の塊になるので、回りが硬い砂糖の鎧をつけて、中は柔らかい羊羹というお菓子に変化します。このような昔ながらの羊羹を今でも提供している玉嶋屋さんです。
昔ながらの製法で、薪で火を熾して小豆を煮詰めて練り上げます。この製法のために、保存剤が無い時代でも長く食べることができました。また、出来上がった羊羹は笹の葉などに包んで保存してました。すると、少しずつ羊羹の砂糖部分が表明に浮き出て濡れ砂糖の塊になるので、回りが硬い砂糖の鎧をつけて、中は柔らかい羊羹というお菓子に変化します。このような昔ながらの羊羹を今でも提供している玉嶋屋さんです。
二本松にはもう一店、楽天市場で1番をとるどら焼きを販売している増田屋というお店があります。二本松駅から少し距離があります。増田屋さんの「純生クリームどら焼き」が楽天で大変売れているそうです。
どら焼きといえば、私の中では、うさぎ屋本店の味が基準なので、それを越えるものがあるのか?との疑問が以前からありました。
加えて、二本松は福島の真ん中の北側で、隣が福島市、その先が米沢市となります。山形県の一人あたりの羊羹消費量は、全国1位であったと記憶しています。この地を治めてきたのは、名将上杉家です。この城下町には羊羹合戦に登場する「塩羊羹」の十印があります。また、十印のある川西地区(今は、羽前小松)には、別の和菓子店の錦屋があります。ここの練小豆羊羹は古くから献上羊羹です。
もう一店、同じ川西に、サトー屋菓子店があります。実は、増田屋さんの純生クリームどら焼きで有名になりましたが、どら焼きに餡以外の食材を組み合わせて提供を始めたのは「バターどら焼き」で、その元祖は、サトー屋菓子店と言われています。相当以前からバターどら焼き、クリームどら焼きにはじまり、イチゴどら焼き、バナナどら焼きなど色々などら焼きがあるそうです。この○○どら焼きは、各地で様々なお店が提供するようになってきています。東北では、看板をよく見るようになりました。
というわけで、今回は全てのどら焼きの基礎となる、小豆餡のどら焼き3種を同時購入して比べてみました。
出演者:増田屋さん、サトー屋菓子店さん、十印さんです。
対 象:全てプレーンのどら焼き
【包装と値段】
増田屋:160円
サトー屋菓子店:98円
十印:130円
成分:商品裏の記載のまま
増田屋
サトー屋菓子店
十印
見た目;左から>十印>サトー屋菓子店>増田屋
皮の感じ
増田屋:柔らかいですが、皮自体の味の主張はありません。
サトー屋菓子店:超柔らかいです。口に入れると溶ける柔らかさです。よって、皮の味の主張はほとんどありません。
十印:どら焼きに多い皮の硬さですので、うさぎ屋に比べると硬い部類に入ります。味は抑え気味です。
餡の感じ
増田屋:小豆を良く潰している餡です。よって粉っぽさを感じます。加えて、小豆本来の香りや旨味はあまり感じません。
サトー屋菓子店:小豆のつぶしは、小豆の粒を感じられない程度に潰しています。小豆の香りや旨味は少しだけ感じますが弱いです。
十印:小豆の粒の存在を感じます、少しだけ小豆粒の皮が硬めです、小豆の香りと味を感じますが、うさぎ屋ほどではありません。
全体のバランス
増田屋:皮、餡共に主張がなく、ボーとしたどら焼きです。柔らかい皮をアッサリ餡を多めに挟んでいるというどら焼きです。添加物も多いので1か月の日持ち持ちです、その分本来の旨味を捨てています。
サトー屋菓子店:非常に柔らかい皮で餡を包んでいて、これまでのどら焼きとは一線を画すどら焼きと感じます。口に含むと皮が消えていき、餡がそれを追いかけるような感覚です。一度、試されると面白さが分かるかもです。亀十のどら焼きの皮より数倍柔らかいです。
十印:最もスタンダードで、丁寧に作られたどら焼きという印象です。しかし、餡の量、皮の素材や厚み、焼きなどにまだ工夫ができるところがあるのではと感じます。小豆を上手に仕上げているだけに、他にも手を加えると良いのにな?という素直な感想です。
と、勝手なコメントです。味覚や感じ方は其々です。悪しからず。
2018年2月28日水曜日
食べ歩き(126) 鳥勝牛肉店 米沢市
地元の方に愛されている、米沢牛が安くかつ美味しくいただける鳥勝牛肉店。知り合いの方に紹介いただいてから1年になりますが、日程が合わず、また、数名での予約でないと受けないので行けずにいました。今回やっと予約が取れました。
普段から地元の方々で混んでいて、米沢牛を格安でいただけるのです。知り合いの話によると、「この値段で米沢牛を提供するところはない。」とのことです。米沢牛はブランド牛の中でも老舗の一つですので、本当に高級です。米沢市内にたくさんある牛肉店では、安く出しているといっても、普通の和牛と比較すると高いと感じてしまいます。鳥勝はたくさんある米沢市内の牛肉店ですが、地元の方を対象にしていて、可能な限り安く提供してくれるそうです。店頭販売の価格も少しだけお安い値段設定になっているように感じます。
鳥勝牛肉店さんの2階はしゃぶしゃぶとすき焼きが中心の店です。本日お願いしていたメニューは、米沢牛のしゃぶしゃぶです。悩んだ末にしゃぶしゃぶでお願いしています。米沢牛本来の味をいただくために、すき焼きを諦めました。お値段は一人4千円のコースです。お通しが3品つき、野菜、豆腐と米沢牛のロース霜降りがつきます。〆にはウドンが付くそうです。米沢牛は1人前で約150gの設定だそうです。
米沢牛入場です。
霜降りが半端ではありません。サーッとお湯につけて、少しピンク色でいただきました。言葉なしです。6枚をあっという間に食べてしまい、少しだけお肉追加です。
最期の〆のウドンと同時に、スープもいただきました。
一人4000円+追加2000円で大満足の米沢牛しゃぶしゃぶでした。
本日のしゃぶしゃぶは、全てロースを用意していて、すき焼きはそれだと脂身が多すぎるので肩を半分加えたそうです。毎日違うとの前提で、教えていただきました。当日の肉の状態を見て、それぞれ使用する米沢牛をアレンジしているみたいです。
本日の熱量 約1,364kcal
食べ歩き(125) 小判寿司 磐城棚倉
和知慎吾さんという方に会ってみたくて、郡山から小一時間かかる磐城棚倉に伺いました。和知さんは、仙台の小判寿司で修行されていましたが、ご実家を守るということで、この地に戻られたそうです。
郡山から水郡線という水戸と郡山を結ぶ電車で1時間と少しかかりました。福島県から茨城県へ向かうので平野の中を電車が進みます。郡山を出ると、だんだんと寂しい社外の景色になります。この地にて20年寿司を進化させ、いろいろな食材を選ばれて取り寄せて、美味しい寿司を提供しているのですから改めて感心しました。
和知さんが集めている食材は、半端ではないようです。日本中の最も美味しいとされる食材を集めているようです。どうやって集めるのか?産地には赴くのか?そして、それらの食材をどんな仕事で提供するのか?たくさんの疑問と、知りたいという欲求のままの訪問です。
午後六時過ぎに磐城棚倉に到着しました。駅から1キロメートルということなので、ゆっくり歩いて店に向かいます。店の前には、可愛い招き猫がお出迎えしてくれました。暖簾をくぐり店内へ。すでに、5名の先客1グループが乾杯を終えて料理に箸を向わせています。
予約していた・・・。と名乗り一番奥の席に通されました。
始めの料理は、富山産のホタルイカの酢味噌和えとメカジキでした。ホタルイカと酢味噌のバランスが抜群です。メカジキは何もつけずにいただいてみました。美味しいです。
続いて蒸物が奥から出されます。奥様が奥で蒸された茶わん蒸しです。素敵な小椀を開けると磯の香が漂います。青海苔の香りで、春のようです。これには、サイマキエビとヒイラギ貝に何と言っても相馬産青のりが散りばめられています。サイマキエビと貝の旨味と大変優しい香りが楽しめます。
続いて、目の前の大きくて厚手の陶器のスクエアの皿に宮城産アイナメの刺身が二切れ。これも、何も付けずにいただきました。アイナメを刺身で食べないところもありますが、北海道や東北では普通にいただきますし、これが美味しいのです。アイナメは刺身におろすのが面倒です。柔らかいので手際が重要です。
次いで、ブランドの藍島鰆の腹の部分を絞めてから12日ほど寝かしています。鰆が最も脂がのるのは冬で今の時期です。かつ、藍島産で腹の部分を寝かしているとなれば脂ノリノリです。すこしだけ炙りましたと聞いた途端に口に運んでいました。気付いたら写真を撮り忘れています。実は、本日いくつかの料理や鮨で写真がありません。写真の前に気づかずに食してしまっていたという状況がありました。この鰆は美味でした。(笑い)
刺身の後は、ポワロネギと下北産の鮟肝の酢の物でした。ポワロネギは地元で応援している農家さんが作られているそうです。ポワロネギはリーキとも言われます。ポワロネギの音はフランス語とイタリア語から来ているようです。地中海沿岸原産の野菜で下仁田ネギに似ていて太くて白いところがしっかりしているのが特徴のネギです。これを少し煮て、そこに鮟肝が乗りポン酢で和えられています。大変甘いネギでした。ポン酢も癖が無く美味しいポン酢で、全ていただきました。
続いて刺身の第二弾です。北海道真つぶ貝と宮城産金華鯖です。
貝大好き人間なので、この真つぶに、いい具合に包丁が入れられていて美味しい貝でした。貝やイカなどは包丁の入れ具合で味が変わる言う方もおられるようです。私には、包丁による味の違いは分かりませんが、この貝を、包丁に沿って噛んでいただくとマツブの味をじっくり感じられる刺身でした。
相馬のズワイガニのジュレとみそ添えが涼しい椀で出され、次いで75度で4時間煮炊きした宮城産鮑と肝でした。この煮鮑は柔らかく絶品です。残りの肝は酢飯と一緒に即席リゾットにしてくださいます。
焼き物は、たら白子焼きを羅臼昆布に乗せてでした。羅臼昆布の旨味を得た白子の焼き物は美味しいです。羅臼昆布の使い方が上手です。昆布も全部いただいてしまいました。噛めば噛むほど旨味が出てきます。
ここで目の前の大きな陶器のお皿が、少し小さくて薄く黑を基調としたスクエアなお皿に変わりました。小判寿司さんで使用している皿は、俊窯という長崎の窯の作品だそうです。お寿司用に用意された皿は、親方が本鮪の赤に合うお皿をということで俊窯さんへお願いしたもので、最近届いたそうです。大変良い皿です。使ってみたくなるお皿です。
さて、お皿も変わりこれからがお寿司となります。お寿司は順に次のようでした。
- 絞めてから4日の北九州産の甘鯛
- 北海道産アオヤギ
- 絞めてから10日の仙崎産本鮪の赤味
- 煮蛤:きれいにまとめられた煮蛤です。
- 茹でエビ:身はプリプリで味はしっかりした海老です、何という海老か伺うのを忘れてました。
- 江戸前(東京湾)小鰭:江戸前と最初に言われて、東京湾産?というところに行きつくのに、少し間がありました。そうです、江戸前のコハダです。〆てから3日のコハダは、仕事が活きた噛めば噛むほど旨味を感じるものでした。コハダは旨いです。
- 仙崎産本鮪トロ:トロが融けます。融点低いです。
- 虎河豚白子:なんと幸せなことでしょうか?! 美味しいの前にありがたいという食材ですね!?!
- 昆布森馬糞海胆:この時期の馬糞ウニは昆布森以外に考えられませんでしたが、やはり昆布森産だそうです。馬糞の特徴の濃い味のウニでした。
- 対馬産穴子(黄金穴子)を塩と煮きり:対馬さん穴子の最も脂がのるのがこの時期ですので、その通りの脂がのり口の中で溶けるようでした。
- カスゴ (春子 鯛の子供 ):春子と言うだけあった、この時期にはとても良い食材です。鯛でなくカスゴはグッドでした。
- 玉子焼きはすり身とだし巻きの二種
- かんぴょう巻き:かんぴょうが旨すぎです。こんなかんぴょう巻は初めてでした。
何と言っても、鮨米が抜群に美味しいです。和知さんご本人も、最も基礎となる鮨米には最大限の気配りであたっていると言われていました。その通りの鮨米で、それぞれの鮨ネタを活かす鮨米を用いて鮨を握っているを感じます。
ササニシキを毎日使用分だけ自家精米して用いているそうです。米を炊く水は最近変えたそうで、仁井田本家の仕込み水が、今迄以上に米に合うそうです。膨張率が異なるそうです。加えて、蒸らしも重要で新聞紙と毛布で完全に蒸らすことで逆アルデンテの米を炊き上げるそうです。この逆アルデンテという表現は言い得て妙ですが、そのままを表しているように思いました。和知さんの鮨米への拘りには程遠いですが、私もそばに拘り続けているので、気持ちは分かるような気がします。
再訪問必須の和知さんでした。和知ワールドですね?!!お客様も多く、大変忙しい中色々と教えていただきました。また、ゆっくり伺ってみます。
最期に、駅まで奥様が送って下さりました。感謝感謝です。
本日の熱量 約1,373kcal
本日の熱量 約1,373kcal
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